97話 ヘルヘイム
俺達は洞窟の中を歩いている。
数m歩いていると視界が開けてくる。
洞窟の先に広がっている光景はーーー
玄武岩質マグマが固まった様な黒色のゴツゴツとした地面。
そして、数m先は崖である。
「何だ……ここ?」
俺の口からそんな言葉が漏れる。
それに、あそこにある影はーーー1人の女の子である。
短い金髪にクラウンハーフアップの様な髪型をしている少女である。
「おい! 何者だ! お前達!」
そこに居る人物は大声で俺達に問う。
この娘……小さいな……
ライムと同じかそれより少し大きいくらいか……?
すると、ラスが俺達よりも一歩だけ前に出て口を開く。
「無礼ですよ。モーズグズ」
「お前! 何故知ってーーーッ!?」
「分かった様ですね……」
「ニーズヘッグ……なのか?」
「はい、そうですよ」
そして、一歩下がりネロと俺へ手で指し示して言葉を紡ぐ。
「こちらは我等の主であるネロ様、そして、こちらは我等の神であるテオス様です」
ラスがネロと俺の紹介をすると、目の前にいる彼女は驚愕した様な表情になる。
「ま……まさかっ! 貴方様が……冥界神の仰っていた、我等が神ーーー……」
そして、態度が豹変する。
「これは、申し遅れました。ボクはモーズグズ。ここの監視をしている者で御座います」
恭しく頭を下げる。
そして、「以後、お見知り置きを」と言った。
監視者……?
それにモーズグズって、北欧神話のーーー
「モーズグズ、彼女は?」
「冥界神様は現在、こちらにはいらっしゃられません」
「何故ですか?」
そう言い、ネロは首を傾げる。
それに対しモーズグズは淡々と答える。
「枯れ果てた大地へ“蟲”の殲滅に向かわれたので……今は連絡が出来ません」
「そうですか……」
ネロは落胆した様に返事をする。
「では、界繋黄金架橋を通して頂けますか?」
「何故ですか?」
「簡潔に言います。界遮聖泉に行く許可を」
「! 理由をお尋ねしても……?」
モーズグズは一瞬、驚愕した様な表情を浮かべたが、直ぐに冷静な表情に戻る。
そして、ネロに尋ねる。
「えぇ、良いですよ」
「それは有難う御座います」
「私達が追っているのは死齎邪樹ーーー。世界樹の根を通じて、界遮聖泉に蔓延っている樹です」
「なっ! そんな情報は番犬からは何もーーー」
「あぁ、そういえば……彼女なら、おにーちゃんのお城に居座ってますよ?」
「……は?」
モーズグズは気の抜けた声でそう言った。
ガルムの正体とは───!?
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