91話 処方薬ーーー
「テオス様……少し宜しいでしょうか?」
アーテルが訊いてくる。
それに対し、「あぁ」と首肯する。
「気管支炎という病気はご存じでしょうか?」
「気管支炎……? それなら知ってるけど……それが、どうかしたの?」
その返事を聞いて、アーテルはホッと安堵する。
「それがですね……。モロクに『解析鑑定』を使用した所、状態異常の項目に気管支炎、と記入されていたので……」
は!?
モロクが気管支炎!?
でも、それっぽい症状はあったしな………
「それって、いつわかった?」
「今日の深夜です」
「何時頃か分かる?」
「3時頃かと」
「そうか、ありがとう」
アーテルにそう告げ、俺は自室へと戻る。
そして、ゆっくりと扉を開く。
すると……モロクはすやすやと眠っていた。
……いや、少し咳き込んでいた。
「……テオス様、もっと早く言った方が宜しかったですか……?」
「どうだろうな……」
俺はアーテルの問いに言葉を濁して返す。
アーテルはというと………
ーーークソッ!! もっと、早くお伝えするべきでした、と。
アーテルは嘆く。
それをテオスが感じ取ったのか……
「アーテル、早めに教えてくれて有難う」
「いえ……」
その瞬間……アーテルは、なんと慈悲深い御方だ、と感嘆する。
だが……どうしようかな。
気管支炎か……多分、急性なんだよな。
確か……原因はウイルス感染や細菌感染、大気汚染だったかな?
治療法は確か……何種類かあった筈………だが、ウイルスが原因なら、一般的には治療薬は存在しない。
でも、今はウイルス感染の可能性が高いから……鎮咳薬を服用して貰うしかないな………
じゃあ、錠剤を飲んでもらうしかないな……
「モロク……起きれるか?」
小さくゆっくりな声で訊く。
「あ……すいませ………ゴホ……ゴホ………!!」
そっと背中を支えながら上半身を起こす。
キツいかもしれないが……我慢してくれよ。
「薬、飲めそうか?」
「はい……」
弱々しい声で頷く。
「そうか……」
そうして、俺はモロクに鎮咳薬とぬるま湯が入ったコップを手渡す。
「ありがとう……ございます」
そして、錠剤を口に含み……水で押し流す様に飲む。
すると……あまりにも苦かったのか、顔をしかめる。
「うぇ……」
「モロク……折角、テオス様が処方して下さった薬です。しっかり飲みなさい」
「…………はい。わかりました。アーテル様」
長い沈黙の後、モロクはそう言って嫌々頷く。
う~む、鎮咳薬って苦いのだろうか?
神から賜った薬ーーー
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