89話 病名
翌朝ーーー
「ん……」
未だ眠い、と主張する様に声が漏れる。
そして、眠い……と思いながらも彼女ーーーモロクは目を開ける。
すると、ぼやけた視界に少しずつ光が入ってくる。
それと同時に、まだ熱がある事に気付く。
だが、それを考えないようにしながら、体を起こす。
その瞬間、モロクは驚いて声を上げる。
「ひゃあ!」
何故か?
その答えはモロクの目線の先にあった。
そこに居たのはテオスである。
だが、モロクはすやすやと眠るテオスを見て……静かにしよう、と思い声を押し殺す。
頑張って立ち上がろう、と思って脚を床へそーっと着けようとした瞬間ーーー突如、声を掛けられる。
「大丈夫ですか? モロク」
「うひゃあ!!?」
そう叫びながら、声が聞こえた方へ目を向ける。
するとそこに居たのはーーー
「アーテル様!?」
「はい、体調大丈夫そうですか?」
「あ、いえ、少し……熱っぽいです」
「そうですか……。モロク、今先程……バエルがある報告と同時に貴方を『解析鑑定』をした際に状態異常の項目に、気管支炎と書いてあった、と聞いたのですが……何か知っていますか?」
アーテル様がそう訊いてくる。
キカ、ンシエン……?
今はそんな事どうでも良いですね。
「いえ、何も。アーテル様もご存じ無いのですか?」
「えぇ、ですが……状態異常の項目に書いてあったので、暫くは寝てなさい。必要な物が有れば言ってくださいね」
取りに行くので、と。
本当に慈悲深い御方……
「いえ、そんな事を……アーテル様にーーーゴホッ! ゴホッ!」
「はぁ、だから言ったでしょう。寝てなさい」
少し圧を掛けて言ってくる。
「あ……はい………」
そして、私をベットに寝かせ、毛布をかけてくれる。
あ、暖かい……と、思った。
そして、眠りに就く直前ーーー自らの主が悲しげな表情でこう言うのを聞いた。
「すまないな……モロク。面倒な事に巻き込んでしまって……」
数時間後ーーー
「……?」
重い瞼を開けながら考える。
誰か居るのか、と。
いや、それは無いなと一笑に伏そうと思っていると……
霞んだ視界に誰かが写ったのが分かる。
「誰だ……?」
思わず、そんな声が漏れていた。
あっ、ヤベ……と思いながら起き上がる。
「お目覚めですか、帝王よ……」
ベットの直ぐ側で片膝をつき跪く青年が居た。
いや……誰だよ、お前。
それに……不法侵入だぞ?
人が寝ている時に入って来るのは……
それに女子も居るし……って俺もヤバいのでは?
まぁ、そんな事は措いといて………って錠かけてた筈なんだが……?
何で入って来てるの?
“悪魔の帝王”と“神々の帝王”の出会いーーー
最後まで読んで頂き有難う御座いまいます!
「面白い」 「次の話が気になる」と思って頂けましたら下の☆☆☆☆☆から応援宜しくお願い致します!
感想やいいね、ブクマ登録などして頂けると嬉しいです!




