88話 仕えた王ーーー
「ご、ごめんね? な、何か嫌だったかな……?」
「い……や……ちがう、んです…………」
か弱い声でモロクが涙を溢しながら言う。
「何が……違うんだ?」
「それは……」
モロクは「あ……」という風に目を逸らす。
そして、言いずらそうに言葉を紡ぐ。
「帝王様は……ゲホ…ゲホッ!」
「わかった、話は後で聞くから……。今はゆっくり寝てて」
「は……い……。ありがとう……ございます…………」
それに対し俺は……
「うん、おやすみ……」
俺はモロクにそう言葉を返す。
「はい……テオス様…………」
その言葉を最後に、モロクの意識は深い闇へと沈む。
数時間後ーーー
モロクの様子を見ていた俺も意識が闇へと沈む。
そして、太陽も沈み月が昇りだすーーー
テオスの部屋に月光が射し、必然的に影が生まれる。
影とは……即ち“陰”である。
陰は悪魔が支配しており、それは悪魔が現世に顕現する為の門。
今……その影から出現する者は、世界の裏を支配する悪魔達の帝王にして、この銀河で始源に創造られた存在ーーー……
その者の名をアーテルという。
その影から出てきた青年───アーテルは、溜息を吐く。
「はぁ、モロクの奴……来て早々、テオス様に迷惑を…………」
その瞬間、アーテルは異変に気付く。
何故なら、いつもならジョーカーが念話か転移してくるからだ。
(それに……この感じ、なんだか懐かしい様な…………)
その刹那、水色に光り輝く魔法陣が出現する。
「! 何者かが転移してくる!?」
アーテルはそこから出てきた者に驚愕する。
「な……何故……? 貴方様が……!!」
そこから出てきた者は運命神と云う神異名を持つ人物である。
「久しぶりだな……」
ロキはその狂気を孕んだ瞳に怒りを綯い交ぜにしながらアーテルに問う。
「な……何を仰っているのですか……? 貴方様は……魔力まで変わってしまわれたのですか? それにーーー」
ロキはアーテルの言葉を遮る。
「知らないのか、ならば用は無いーーー……死ね」
ロキは掌を目の前にいるアーテルに向かって突き出す。
その刹那、アーテルはヤバいと認識する。
怒らせてしまったのだ、絶対に怒らせてはならぬ存在をーーー
ロキはアーテルから目を逸らす。
ロキが見たのは熱で寝込んでいるモロクとモロクの看病をしているテオスだ。
「……気が変わった。ここは帰らせて頂こうーーー……」
「待って頂きたいッーーー! 何故、貴方様がこの時代にーーー」
すると、帰ろうとしていたロキが眉を顰め声を発する。
「今、生きている俺をこの道に進ませぬ様に運命を変えて見せよーーー……アーテル」
そう言ってロキは転移する。
アーテルはただそこに立ち尽くしかなかったーーー
ロキの正体とはーーー
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