87話 看病
「ケホ……ケホッ……!」
モロクが咳をする。
「大丈夫だよ。今は安静にしてて」
「は……い……。すみませ……ん…………」
モロクは、か弱い声で謝罪する。
その様子を見て、俺は無言で頷く。
「ゴホッ……ゴホッ! ゲホッ……ゲホッ……!」
そして、咳が終わって息をし始めると……
ヒューヒュー……という音が聞こえた。
!?
まさか……喘息!?
だが、喘息の発作の時に熱なんてでたか……?
そんなことを思っているとーーー
扉からコンコンという音が鳴る。
「テオス様、開けてもらっても宜しいでしょうか?」
その声の主はシルだ。
「あぁ、少し待ってね」
「はい、わかりました」
そして、急いで扉の元に行き、扉を開ける。
すると……シルが夕食を持ってきていた。
「テオス様が仰った通りにヘンゼルが作った夕食です。テオス様には申し訳ありませんが……モロクと同じ食事をして貰う事になります……」
「あぁ、それで大丈夫だよ」
「そうですか。では……失礼致します。モロクを宜しくお願い致します」
「あぁ、わかったよ。夕食、有難う。シル……」
「はい、これから暫くはこうして過ごされるのですか?」
「うん、そのつもり」
「そうですか……。では、また明日伺いますね」
「あぁ、宜しく頼むよ」
俺がそう言うとシルが満面の笑みを浮かべて去って行った。
俺は再び扉を閉め、モロクに問う。
「ご飯食べれそう?」
「あまり……食べれなさそう……です…………」
「じゃあ、俺が食べさせてあげるから……あまり動かないで良いからね」
「はい……申し訳……ありません…………」
「別にいいよ」
そして、ベッドーーーアーダの脳梗塞を治療した際に使用したヤツーーーの背もたれを上げる。
うん、電動って良いよね。
「ごめんね……これしかなくて……」
「いえ、頂けるだけでも……ゴホ……ゴホッ……! ありがたい……ので………」
「大丈夫そう? キツいなら……」
「いえ、大丈夫です……」
モロクはか弱い声で拒否する。
その声には変わらぬ意志が感じられた。
「はい、どうぞ」
そう言ってシルが持ってきてくれた料理ーーーお粥を掬いモロクの口元へと運ぶ。
すると、モロクは出来る限り大きく口を開き、スプーンが口元まで来ると口を閉じ、ゆっくりと咀嚼し飲み込む。
それを数回繰り返すーーー
そして、1/3ほど食べた所で……
「すいません……少し気分が………」
「そうか、じゃあ……もう食べれないよね」
「はい……すみませーーー」
「モロク。謝るのはもう良いよ、モロクは今……病気だからたくさん甘えて良いんだよ」
「……! ありがとうっ……ございますっ……!」
そう言ってモロクはポロポロと涙を溢すーーー
モロクの涙の訳とはーーー
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これからも『ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜』を宜しくお願いします!
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