81話 邪悪な樹の正体ーーー
ルフスが驚きながら声を上げる。
「まさかッーーーーあの邪悪な妖気を纏っていた大樹は……」
「その通りです。あの大樹の正体は……死を齎す邪悪な樹。その名は、死齎邪樹ーーー」
「!? どういう事でしょうか、ネロ様!! アーダ様は……!!」
そう言うエルピスに対し、言いにくそうにネロは言う。
「はい、アーダは乗っ取られていたんです……」
(乗っ取られて、ですか…… ? 何だ?)
……刹那、ラスが何か“視線”の様なものを感じ取る。
「そん、な………! アーダさーーー」
その瞬間、誰にもーーーいや、エルピスの気付かぬ死角からある物がウニョウニョと動いている。
鋭き枝が伸びる。
そして、エルピスの腹部に突き刺さるーーーー寸前、その枝をラスが掴む。
「はぁ……どういう事ですか? ネロ様……まだ残っているのですが?」
ネロにそう問いかける。
「そうですね……私の分身体の能力を奪い、性格をも改造た罪……赦しません!」
その瞬間……ネロは怒り、魔力を解放するーーーー
「おい、ネロ。止めるのじゃ! 今はアーダ……いや死齎邪樹を探すよりもやらなければいけない事があるじゃろうがっ!!」
ルフスはそう言って、ネロの頭をポコと、殴る。
「いたっ!」
そう言って頭を抑える。
「何が『いたっ!』じゃ! 先ずはこの国をどうするか決めてからじゃ! それから怒るなら怒れば良いじゃろう!!」
「はい……わかりました…‥……」
「あ、あの……どういう事ですか……?」
独り言の様にエルピスが声を発する。
そして、数分後ーーーー
「そろそろネロと主様は帰っていいのじゃ!」
「ですが……」
「大丈夫じゃ! 後はこっちで何とかするからの!」
ルフスの言葉にネロは溜息を吐く。
「わかりました。では、任せましたよ……ルフス」
「おう! わかったのじゃ! 主様も、お疲れ様なのじゃ!!」
「あぁ、これから少し休むけど何かあったら連絡してね」
てか……ネロが魔法陣、描いてるし………
「わかったのじゃ! “何かあれば”連絡するからの!」
「あぁ、じゃあね。ルフス、ラス」
「はい、テオス様……」
「じゃあ、行こっ!」
早いな……おい。
まぁ、今日は疲れたから良いんだけどね……
「わかったよ……。じゃあね」
「わかったのじゃ! 主様」
「わかりました! テオス様」
その声を最後に俺達は転移する。
我が家へとーーー
帰還ーーー
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