71話 病
森の開けた場所である男の声が響く。
「覚えているな? 皆の衆!」
「はい!」
複数人の男女がそう大声を出す。
「よし、今日は偉大なる“神”が此処に降臨なされる……天啓によれば後数時間で来られるであろう!」
「はい! では、我々はもてなす準備をすれば良いのですね?」
その問いにその男ーーーアーダは断言する。
「違う! ありのままで接するが良い! 其れを“神”はお望みだ! 良いな?」
「はい!」
広場に集まっているエルフ達全員がそう答える。
「では、各々の仕事に戻るが良い!」
「はっ!」
その声が辺りに響くと皆、仕事場へ向かって散っていく。
その瞬間、アーダを目眩が襲う。
(うっ……!)
そして、少しふらつく。
アーダの様子に違和感を感じた護衛が近づいてくる。
「どうか致しましたか? アーダ様……」
「…す……まぃ………」
そう言ってふらつきながら倒れる。
「へ?」
あまりの事に護衛は数秒固まる。
「………。ア、アッ、アーダ様っ! アーダ様!!?」
そう言って慌てる。
だが、先輩の護衛は違った。
「大丈夫だ。アーダ様は冗談がお好きなんだ。……さぁ、アーダ様、立ってください。アーダ様?」
その瞬間、彼は気づく。
アーダの意識がない事に。
「! 急げ! 救護隊を呼べ!」
「え? ! はっ、はいっ!」
そして、護衛の1人が去って行く。
辺りに誰も居ない中、1人その青年が呟く。
「はぁ……星霊の主が訪れる日に御倒れになるとは………なんらかの因果か……?」
だが、彼はすぐに「それはない」と一笑に付す。
そして、呟く。
「さて、どうしたものか……」
彼の言葉が森に木霊するーーー
(それにしても、救護隊……遅いな。王の緊急事だと言うのに………)
* * *
魔皇城の一角にてーーー
「私が訪れた時に治して差し上げれば良かったですね……」
後悔しながらそう呟く男がいる。
その男の正体はバエルである。
(ふむ、だがこの症状は……それに、私が訪れた時にはこのような病気には掛かって無かった筈だが……? 私の診断が間違っているとは考えにくいが………調べ直してみるか)
そう考え、部屋を後にしようとする。
その瞬間、体が動かなくなった。
(!? な……まさ……か………!! 邪魔をするな、と警告をしているのか……っ!!)
「まぁ、後悔しても仕方ありませんね」
そう言って割り切ると体が動くようになったーーー
バエルに警告した者とは……?
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