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70話 知恵を与えし者


 森護人(エルフ)達が護る森林の開けた場所にてーーー


 ある青年が言葉を発する。


 「……で、此度の件はどう皆に説明する? 第一王女殿下が人間にーーーいや、奴隷商の人間達にに攫われたのだぞ!?」


 「そ……それは………」


 青年の向かい側に立つもう1人の青年が困り果てた様に言葉を濁す。


 「………だが、第一王女殿下で良かった、良かった。あの娘は無能でありながら厄災を招く体質であったからな」


 その言葉にもう1人の青年が頷く。


 「それもそうですね。では、この件はなかった事に致しますか?」


 「そうだな、それで皆が納得するなら良いのだが……」


 その瞬間、不気味な声が聞こえる。


 『いい訳ないでしょう。あの森護人(エルフ)は星霊の加護を受けていたのですよ?』


 その言葉に2人とも驚き周りを見渡す。


 「な……何だと!? 精霊の加護……? 巫山戯るなっ! 我等は皆、精霊からの加護を受けてーーーーーん? 今の声は……何者だ!?」


 青年が声を荒げると……その青年の影が揺らめき、人が出てくる。

 その人物は漆黒の衣装に身を包み、仮面をつけている。


 「これは、初めまして。私の名はバエルと申します」


 「……貴様、何処の手の者だ? 言え」


 「『言え』だと? 人間より多少強いだけの種族がーーーー………」


 その言葉はその青年ーーーいや、アイオーン国現国王……アーダ・アルベリヒが眉を顰める。


 「おい、我等と人間を比べーーー」


 「黙れ」

 

 バエルはそう一喝する。

 その瞬間、アーダは驚愕する。

 何故なら……

 レベル:40ーーー即ちアイオーン国最強の自分が動けないからだ。


 (な……何故だ!? 何故動けない??)



 そのアーダの様子を見てバエルは嗤う。


 「どうだ? 少しは話を訊く気になったか?」


 「だ……誰が、貴様などの話を訊くものかーーーー」


 その瞬間、紫電がアーダを襲う。


 「グ……グァアアアアアアァアアアアアアァァアアアアアア!!!???」



 そして、数十分間電撃を浴び続け………心が折れてしまった。


 「わかった………いえ、わかりました。話を伺います」


 「ッ……! 国王陛下!!」


 「良いのだ、我等では歯が立たん。我等よりも上の……上位存在だろう………」


 その言葉にバエルは嬉しそうに笑う。


 「ほぅ、あの電撃を受けただけで分かりますか……。素晴らしいですね」


 「何が電撃だ、完全に上級魔法の『紫電(ボルト)』だった癖に……っ!!」


 「ですがあの程度の魔法……使えて当然です。でないとーーーーー………」


 すると、何故か「ゴホン」と咳払いをしてまた、話し始める。


 「そろそろ本題に入りますが……貴方方は精霊について何処まで知っておられますか?」


 その問いに呆れた様子で言葉が返ってくる。


 「精霊……だと?」


 「はい、そうです。そもそも……精霊と呼ばれる存在が何種類居るかご存じですか?」


 「何? もしや……だが、ありえないっ! その言い分……何種類もいる、という事なのか!?」


 「やはりですか……」


 バエルは呆れた様にそう呟く。

 

 「それでは、お教え致しましょう。精霊の全てをーーーーー…………」







 数時間後ーーー


 「これがこの世界の精霊と呼ばれる者達です。理解(わかり)ましたね?」


 「「は……はい」」


 そして、2人はというと……

 精霊の全てを知り、驚嘆していた。


 「こ…これが……精霊の全てーーーー素晴らしい!」


 「そうですね、国王陛下。本当に貴方様の護衛で良かった、と心から思っております」


 すると、バエルは2人に告げる。



 「貴方方に伝えて差し上げましょう。今日から数えて7日後……星霊の主たる神が此処に来るでしょう。彼は一瞬見ただけだと人間だと勘違いしてしまう程、魔力等を抑えています。くれぐれも言動にはお気をつけをーーーーーー……………」



 バエルはそう告げると、影に沈み溶け込む様にして消える。





 

 「それにしても、星霊の主……か」


 「どの様な御仁なのでしょうね……」

 

 「あぁ、そうだな」


 バエルが残した言葉が何だったのか考えるの2人なのであったーーーー

 

バエルの正体とはーーー

最後までお読み下さり有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 数時間の説明で「これが全てか」と納得できる存在………精霊とは一体何者なのか!? 3章のプロローグとして興味を引き立たせてくる内容ですね!!!
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