64話 帰宅
翌日ーーー
先にリルを家に転移させたから……俺はゆっくり歩いて帰ろうかな……
ってか、リルの毛……モフモフだったなぁ〜
帰ったら、モフモフしようかな?
……いや、怒られそうだからやめとこう。
そう思い、ふと森を見る。
すると人影が見えた。
ん?
人影……?
誰かいるのか?
ちょっと、行ってみるか!
そう思い、ほぼ壊滅した城下町を歩いていると……
ん? 路地裏に金髪の少年(?)……少女(?)が居た。
とても小柄で性別がわからないない。
少し耳が尖っている。
ん? もしかして……エルフってーーー
「これは、貴方が………?」
優しく言っているのだろうが、怒りと悲しみを孕んだ様な声だ。
「いや、こんな事をした人をさっき倒したから……」
まぁ、ほぼ……自滅に近いけど……
俺、耐えてただけだし……
「そう……」
ん?
服がボロボロだな。
「家はどこ? 送ってくよ?」
そう聞いた瞬間、一層声が小さくなる。
「無い……」
「そっか、じゃあ……家来る?」
「……!」
(な……なんで………こんなに優しくしてくれるんだろう……? だって私はーーー)
「行きたくない……?」
そう問うと……勢いよく首を横に振った。
なんか、ミニキャラみたいだな……
その姿を見てそう思ったのだった。
「そっか、じゃあ行こっか」
「……うん」
そう言って頷く。
だが、同時に不安感に襲われる。
(私なんかが行っても……いい、のかな……?)
そう思っていると、そっと頭に手が添えられる。
「大丈夫…?」
その瞬間……
(あったかい……多分、大丈夫。この人ならーーーー………)
よし、大丈夫そうだな。
そう思うと、安心してくれたのか、こちらにもたれ掛かってくる。
ふふ、なんか……こう言う小さい子っていいよね。
可愛いし……
小動物みたいで……
じゃあ、『転移』!
(……! 魔法!?)
そして、浮遊感の後に視界が切り替わる。
(ここは……お城!? 私なんかがーーー)
「お帰りなさいませ。テオス様」
そう言ったのはジャックだ。
「あ、あぁ……うん」
「? そっちの子は……」
そう言ってエルフ(?)をジーっと見つめる。
(森護人……? でも、たしか……森護人は高貴な種族の筈、何故この様なボロ雑巾の様な服をーーーーー………まさか!)
「テオス様、この子をお風呂に入れても? 流石にこの見た目は……」
ん?
見た目?
あぁ、この服か……
そうだな………
「うん、わかった。じゃあ、俺は自分の部屋にいるから」
「はい、後ほど伺います」
「うん、わかった」
そう返事をすると、ジャックは綺麗にお辞儀をする。
そして、俺は寝る為に自室へと戻ったーーー
* * *
「では、行きましょうか」
「あっ、あのっ! ここは……どこ、でしょうか……?」
「あぁ、そうですね。その説明からしましょうか」
そう言いながら歩き始める。
(転移で連れてこられたのでわからないのでしょうね……)
「世界樹はご存知ですよね?」
「は、はい!」
「ここは世界樹にあるテオス様の家ーーーまぁ、お城です」
まさか……そんな人にあんな無礼な事を……!
テオスが偉い人だと知りオロオロしてしまう。
(ふふ……)
「まぁ、大丈夫ですよ。あの御方はとてもお優しいので」
本当……?
でも、あの人のメイドさんが言うなら……
テオスお兄ちゃんって呼んでもーーー
(そもそも、テオス様は何故この子を連れて来たのでしょうか?)
「1つだけお聞きしてもいいですか?」
「は……はいっ!」
「貴方は帝国の“元”奴隷でしょうか?」
「ッ………!!」
まさか……バレた!?
でも、あの人ーーーーううん、テオスお兄ちゃんはそんな素振り……
わかった上で私をここに……!?
優しく接してるのも、私をーーー……
「あぁ、非難したり暴力を振るったりはしないので大丈夫ですよ」
「そ、そうですか……」
本当、かな……?
でも、嘘を言っているようには………
そう思っていると廊下の前からある人物がこちらに向かって来る。
「? あぁ、団長」
そう言ってジャックと呼ばれた女の人がもう1人の女の人に頭を下げる。
「任務の時以外は、団長じゃなくてジョーカーで良いとーーーん? この子は?」
「森護人です」
「森護人? ……客人ですか? それとも奴隷商ーーーーいや、シータからですか?」
「いいえ、テオス様が……」
「え……もう帰って来ているのですか!?」
「はい。30分程で」
「人間とはいえ、ウェンティの加護を受けた皇帝を相手に30分……。そうか……では私は先にアイツ等を迎えに行って、テオス様にご報告しなくては………」
「はい、わかりました。では、失礼します。ジョーカー」
「あぁ」
そう言って両者共にスタスタと歩いて行く。
え? えっ!?
「では、お風呂場に着きましたよ」
久しぶりのお風呂ーーー
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