62話 理性
俺は生まれて初めて……激怒した。
だからなのか、それとも“怒り”に反応したのか知らないが、憤怒之魔神が起動してしまった。
そして、今……俺の体は俺の思い通りには動かない。
何故なら、憤怒之魔神の起動は憤怒之魔神の人格と本来の俺の人格が入れ替わる事を意味しているのだから……
ん? なんだ?
頭に言葉が浮かんできて……
は? 何?
“言え”?
詠唱しろってことか?
“そうだ”って……お前何なんだよッ!?
その瞬間、何も聞こえなくなる。
はぁ…もう! 詠唱すればいいんだろ!
たしか、こんな事を言っていた筈ーーー
「《 海王星・天王星・土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月・地球 》 む? 何故、勝手に我の口がーーーー………」
俺は、太陽系惑星の名前を言われたとおりに唱えた。
今、唱えた10個の惑星が俺の本来の肉体の周りを回っていたーーー
「な……何だ!? この球体はーーーー! まさかッ! 本体メェエエエエ!! やってくれたなァアアア!!! この我を手中にッーーーーー…………」
その瞬間、俺の自我は本来の肉体に戻る。
「お……」
戻ってる!
そう思った瞬間……
周りにあった惑星が公転し、回転する速度が速くなり、俺の肉体に侵入いくーーー
その瞬間、俺の周りが様々な色に光り輝く。
一瞬、眩しすぎて目を瞑る。
すると、衣服が変わっていたーーー
先程まではこの前、此処に来た時に会った人達と変わらない服装だった。
だが、今は違う。
今は漆黒の衣服に星々と惑星を閉じ込めた様な服に変わっていた。
ん? なんだ?
この声は……?
頭に響く様な………
『我は無より出でてあらゆるものを創りあげた』
『我は銀河を生み出しし原初の神。だが、遂には忘れ去られ、全てのもの達の記憶から消えたーーー』
な……なんなんだ?
コレは……誰かの記憶……意志………?
いや、想い……なの、か?
『我は願った。この銀河の安寧をーーー』
『我が願い其方に託す。始源の神は孤独な虚無の中、消滅した』
『それが始源の神の理。始源の存在は必ず同じ運命を辿る。我等、始源にとって孤独とは忌むべき物である。無より出でし同胞よーーー』
『真なる神として“覚醒”せよ。それが唯一の我が武器、◼️◼️◼️◼️をこの銀河に再度、顕現させる方法ゆえーーーーーー』
とても威厳があったがそれと同じ位に悲しい声だった。
* * *
管理室にてーーー
2人の姉妹が話し合いを始める。
「ーーーお姉ちゃん! 今の主様の詠唱、聴いてた!?」
「はい、聞いてましたよ。何故……あの詠唱をーーー」
「流石はテオス様! 帝王神の神名は伊達じゃないね!」
「そうですね。………まさかっ! 伝説の神霊武装がテオス様を選んだと言う事……!?」
「え? どう言う事? だって、あれは始源の神のーーー」
そして、姉妹の会話は徐々に熱を帯びていく。
「そう、その筈なの。でも、実際……テオス様が身に纏っていらっしゃるのは、間違いなくあの神霊武装!」
「でも、あの禁断の詠唱はごく一部の存在である、熾天使しか、知らないよ」
「なら、何故ーーーッ! あの武器に意志があったとするならばーーーー」
「? あの武器? 何それ?」
フギンは疑問符を浮かべる。
「すいません。少し“本”を見てきます」
「え? え!? ちょ、まっーーー! お姉ちゃん!?」
フギンはムニンのその言葉を聞き、ムニンについて行こうと思ったが、体が動かなかったーーー
そして、ムニンはそう言い残して部屋から出て行った。
テオスの神霊武装……!?
最後まで読んでくださり有難う御座います。
あと、タイトルを『ディオス・ウトピア』から『ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜』に変更しました!
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