61話 怒り
数日後ーーー
はぁ……あの日以来……一切外に出ていない。
そろそろ、出ないといけないよな……
そう思い、扉を開ける。
すると、目の前にシルの姿があった。
「あ……えっと………」
やばい!
何か、何か……会話しないと……!
「テオス様……」
「はっ、はい!」
あ〜〜〜!
恥ずい!
もう……完全に黒歴史載った………!
「前は……すいませんでした」
「い、いえっ!」
ん?
泣き跡……?
「な、なぁ……」
「はっ、はい!」
(あぁ〜〜! 恥ずかしい!)
「……もしかして、どこかで泣いた? あ! ち、ちちっ、違うなら……」
「そう……見えますか?」
シルが目をウルウルさせながらこちらを見る。
う……
なんで皆、上目遣いしてくるのかなぁ……
もう、こっちは心臓がやばいんだけど?
「あ……うん。泣いてた様に見えた……から…………」
「そう……ですか」
なんで、そんな悲しそうな顔するの!?
俺、悪いこと言った!?
* * *
魔皇城、王座ーーー
(フフフフ、運命ーーーそれは絶対なる理。神ーーーいや、神の称号を持つ者でさえも決して抗えぬ摂理。だが、神という種族であるならば、結果は違うのでは……?? ーーー他の部下も行かせましょうか? ジョーカーの負担になりそうですがーーーーまぁ、ラプラスもいるので大丈夫でしょう。それに……あの国の件もそろそろ実を結びそうですし……)
そして、彼は独り優雅に嗤うーーー
* * *
テオスの部屋ーーー
「なぁ、シル……俺1人で行っちゃダメか……?」
「………」
(「いいですよ」と言えれたら……どれほど良いか……。それにしても……テオス様可愛い♡ テオス様可愛い♡ テオス様可愛い♡ ………もう、許可を出して制裁をーーーー)
「シ……シル………? そこまで考えるなら……良いよ。皆で行くよ」
(え…… 可愛い♡ 許可だそう)
「では……リルと一緒なら良いですよ。まぁ、戦闘になるとわかったなら、ですが」
「そっか、有難う。シル」
本当に感謝だな。
これ以上、被害者を出す訳にはいかない。
リルがいたら心強いからな……
それで、譲歩してくれたんだろう。
(うわ〜 笑顔も可愛い♡)
その感情が漏れてか、シルが微笑する。
え……!?
今、笑った!?
シルが!?
うわ〜 可愛かったな……
あれ?
思ったけど、ほぼ……女子しかいないのでは………?
いや、気のせい、気のせいだ!
多分………いや、絶対!!
「じゃあ、また用があったら呼んでね」
「はい。では、失礼します。主様」
そう言って、去って行く。
2日後ーーー
「テオス様、では……行ってらっしゃいませ」
そう告げるのはシルだ。
「あぁ、行ってくるよ」
「はい」
そうして、転移する。
帝国………いや、異種族共存国家、マニュス帝国の皇城へとーーーーー
不気味な嗤い声が聞こえる。
「テオス様、憶測ですがデセオの声かと」
「そうか、有難う」
「いえ」
そう言って笑顔を見せる。
うん。
可愛い。
……いやいや、ダメだな!
よし!
じゃあ、俺達の侵入にも気づいていないだろうし、突るか。
「じゃあ、行くぞ!」
「はいです!」
そういって笑い。
全速力で皇城の廊下を走り出す。
そういえば、最初の攻撃はリルがするって言ってたな。
じゃあ、ゆっくり行っても大丈夫か。
ん? この音は……金属音?
何でーーー……確か、リルの武器はっーーーー!!
最悪の未来を想像してしまうーーー
俺は全速力で走る。
そして巨大な扉をーーー上級、音属性魔法-『衝撃波』を使って粉々に砕き中に入る。
想像した通りの光景が広がっていたーーー
そこには、血を流し横たわるリルの姿があり、近くにリルの武器の鎖が落ちていた。
そして、真正面には……その光景を見て嗤うデセオの姿があった。
え……?
お前、お前、お前、お前、お前ーーーーーーお前………フザケルナヨ……?
リルを、リルを、リルを、リルを、リルを、リルをッ…………!!!
許さない……
許さない………!
赦さない………
赦さない………!
赦さない………!!
赦さない………!!
赦さない………!!
赦さない………!!
赦さない………!!
赦さないッ………!!!
その瞬間、俺の中で何かが砕ける音がしたーーー
「ーーーーーお前…………死ね」
狂気に満ちた空間に俺のそんな冷酷な声が響き渡るーーー
神の怒りーーー
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