55話 狐
そして、宝物庫の両開きの扉がギィと音を鳴らして開く。
そこには黄金の景色が広がっていた。
「ふははははははははははははっ! 妾は今、至高なる金貨の中に居るのじゃ!!」
そんな、声が響きわたる。
な……なんなんだ?
この状況は……?
今、目の前に金貨山脈に潜り遊ぶ白色の長髪に狐の耳が生やした巫女服を着けている幼女と、それを止めようとしている仕草をとる宝箱の姿があったっからだ。
………。
……てか、何? あの宝箱!?
「はぁ……またですか。貴方は、何度言えばわかるのですか!! 金貨で遊ぶなと言ってーーー」
「のわぁーーーー!」
その瞬間、その金貨の山が液状となり扉の形へと姿を変える。
そして、その扉がゆっくりと開く。
「な! まさか、戻ってきたのか!? あのクソ皇帝が……!! ………いや、この機能はあの御方にしか教えていない筈ーーーー」
な……なんだ?
何が起きているんだ……?
扉から金色の長髪を持つ男が出てくる。
その横には巨大な骸骨竜がいる。
「はぁ……また散らかしているのですか? アルブス」
ん?
あの骨の竜……それにあの人の雰囲気、何処かで………?
「おぉ! よく来たのじゃ、久しぶりなのじゃ! ん? なんだアイツら?」
扉から出てきた人間と話している最中にこちらに気付く。
「よし! 喧嘩売ってーーー」
「やめてください。あの御方は私の恩人であり主です」
そう言った人間の正体はーーーネクロだった。
は?
あの金髪の長髪男が……ネクロ?!
<はい、そうでございます。主様>
フギンがそう断言するので、そうなのだろう。
どうやって、人間の姿になれているかが気になるけどーーー
「遅れてしまい、申し訳ありません」
「あぁ、それは良いんだけど……身体、どうした?」
「あぁ、それは冥王ーーーー」
その瞬間、テオスの死角からリルがネクロを睨む。
「! 申し訳ありません。朝起きたらこの様な姿になっていて……」
「へぇ、世の中……不思議な事もあるもんだなぁ」
<………>
ん? どうした? フギン?
<えっ!? あっ! な、なな、何でもありません! はい!>
そ、そう?
めっちゃ焦ってた気がするんだけど……
「では、情報収集に行きましょう! テオス様」
「あぁ、じゃあ、皆も一緒にーーー」
「いや、儂は少しアルブスやリルと話してから行くからネクロと一緒に行っておいてくれ。主様」
「わかった、また後で」
「はい、また」
そうして、先程通った通路を戻って、情報収集に行くのだった。
* * *
宝物殿内部にて、リルとルフスが会話を始める。
「のぉ、リル? 何故ネクローーーいや、久遠皇帝:ヴェルデ・ピスティに肉体を戻したのじゃ?」
「その方が役に立つ、と思ったから……」
「はぁ、そんな事じゃろうと思ったぞ。ん? その言い方からして、蘇生した、と言う訳では無いのか?」
「そう言う事です! あれはかつて世界神が人神の次に創り出した人に近き神だからです!」
「ふむ、そう言えばそうだった気もするが……」
「そうだったのです! 覚えて無いのですか? なら、ババーーー」
「お? なんか言ったかの?」
その瞬間、リルの頭を鷲掴みにする。
「い……いや、な……な、何……も………言って…な、です………」
その瞬間、先程まで金貨の山で泳いでいたアルブスが片膝を床に付け頭を垂れる。
「団長。カエルラがまだ見つかって……」
「あぁ……じゃが、今は主様がいる。気長に探そう」
「は! 了解いたしました。では、私はここーーーテオス様の居城の地下に住んでいても…………良い、と」
「まぁ、主様に聞かんとわからんが……あの御方はお優しい。大丈夫じゃろう」
勝手に話は進んでいくーーー
帝国の地下空間はテオスの家(城)の地下にある部屋だった?!
読んでくださり有難う御座います。
アルブスの名前は白のラテン語です。
因みに、ルフスの名前は真紅のラテン語です。
わかっていた方どれほどいらっしゃいますかね……?
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