42話 叡智之神
巨大書庫の最奥ーーー
広い空間に何者かの足音が響く。
その音の主は、シルである。
「ーーーお願いします」
そうシルが言うと、「……開ければいい? 禁書ーーー」と言う小さい声が響きわたる。
「禁書……全智書、でしょう?」
「……うん。でも、ある意味“禁書”。……違う?」
その少女は淡々と事実を述べる。
「……まぁ、過去と現在の総ての事象が記されている書ですからね……」
「……開けていい?」
「はい」
「……この先に封印し、過去・現在を記す書ーーー其は神々の存在・世界の真理を記しし神書。……封印を覚ます古の三つの鍵、一つ……運命、二つ……必然、三つ……存在。……ここに古の封印の解放をーーーー古銀神鍵!」
少女がそう唱えると、先程まで鎖と鍵穴で封じられていた巨大な白銀の扉の前に巨大な銀の鍵が出現した。
その巨大な鍵が扉に突き刺さり、右方向に回ると……全ての封印と鍵穴の悉くが崩壊し、扉が開く。
その細く暗い全智書の間へと繋がっている通路をシルは静かに歩いて行くーーー
そして、その少女は誰も居ない部屋で小さく呟く。
「……あの御方達は我等が王に会えた……かな?」
紫色の短髪に銀色の瞳を持つその少女は考える。
……私もお会いしないとなーーーと。
そんな事を考えている少女の正体は、シルと同じ熾天使にして、音楽神の異名を持つ天使ーーーーー忍耐之熾天使のイリス。
* * *
謎の部屋の内部ーーー
ここは……なんなんだ?
てか、なんで鳥の羽がーーー?!
「ふふふふ、面白いね! 我等が王よ!」
黒色の短髪の少年(?)がそう言うと、
「不敬ですよ。我等が主様の御前ですよ!」
白色の長髪の少女(?)がそう返した。
今まで俺しか居なかった部屋に2人の人間が舞い降りる。
ん? この白髪の子、どっかで………
「………あれ? じゃあ、こう呼んだ方が分かりやすいかな? 主様」
その瞬間、黒髪の少年(?)の声が聴き馴染みのある声へと変貌する。
え……?
今の声は……
そして、脳内に聞き馴染んだ声が聴こえる。
<はい。私の声ーーーいや、僕の声だよ。どう? びっくりした!?>
PCの自動音声の様な声から、今…目の前にいる少年(?)の声に突如として変わる。
は?
って事は……今までの声は、この子達の声……!?
2人の声の正体はーーー?!
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