40話 運命神の正体ーーー
そうして、俺達は家に戻ってきた。
「テオス様ッ!!」
シルが思いっきり抱きついてきた。
「うおっ!」
「心配致しました……うぐっ……あ……へっと…………あ、えっと、すいません…………」
そう言いながら滝の様に涙を溢している。
「いや、こっちこそーーー」
「おにーちゃあぁあぁぁあぁああぁぁぁぁん!!!」
その声が聞こえた瞬間、背後から物凄い衝撃が俺を襲った。
「ッッ!」
「あ! ごめんなさい。おにーちゃん……」
俺が声を出した事で、ネロが急にシュンとなる。
「ごめんな。吃驚しちゃっただけだから…………ってシル、いつまでそうしてるの?」
幻聴だろうか?
骨がミシミシと軋んでいる音が聞こえている……
「あぁ! すいません。一ヶ月以上部屋から出てこなかったもので……」
「ん? どう言う事だ?」
「? 鍵がかかっていましたし、部屋の中にいたのでは………」
「は? 俺は奈落にーーー」
待てよ、この違和感……。
この気持ち悪い魔力、そして、あの時聞こえた声がレアでは無いとしたらーーー
「……そう言う事か、運命神ーーー」
『ふふふ、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄いね、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ、凄いよ! でもーーーーーー』
そんな声と共に、目の前の空間から黒い闇が溢れ出しゆっくりと人の形を成してゆく。
2m近くあるラスよりも大きい……3〜4mあるかもな。
『ツマラナイ……』
そう告げた青年の瞳は生気を感じさせない程濁っており、狂気を孕んでいた。
「何者です?!」
シルが驚きながらそう問う。
「前はえらい世話になったで! 運命神………ロキ!!」
レアがそう言い放つ。
『その名で呼ぶな、タルタロス!』
運命神はレアに対して激昂する。
「あんたこそ、そう呼ぶんやないで! うちにはレアちゅう名前があんねん!」
『そうか、ならば………私の仕事は終ったので、そろそろ退場させて頂こう。では、出演者の皆様。私は観客席でゆっくりと観察させて頂こうーーーーーー…………』
ロキはそう言い嗤う。
すると、ロキの体は闇へと変異していき、一点に集められていく様にして闇が消えていく。
そして、先程までロキがいたことさえ無かったかの様に闇は消えた。
「………おにーちゃん。あれは……相当やばいよ」
「あ、あぁーーーー」
そう言った瞬間……大理石の天井が見えたーーー
テオスは奈落での疲労と魔力回路にかかった負荷により意識を失い倒れた。
数日後ーーー
テオスは目を覚ました。
「あ……」
頭が痛い。
ズキズキするな……
「お目覚めですか〜〜?」
枕からそう言う声が聞こえる。
「あ………うん。おはようリリス」
「はい〜 おはようございます〜〜! 主様〜!」
「あぁ…」
そう言って起き上がると、リリスは人化し部屋の一番大きい扉(正面扉)を開ける。
「どうぞ〜〜」
「ありがと……」
「はい〜〜」
俺が部屋から出て暫く歩くと、バタンと扉を閉める音が響く。
テオスの部屋ーーー
どこから現れたのかわからないが1匹に黒猫がリリスに話しかけていた。
『お嬢』
「ん? どうしたの〜?」
『口調が変だぞ。お嬢』
「あぁ、あの御方の前でこうして喋っているのよ」
『不審に思われていないならいいが……』
「大丈夫よ。それに先日感じたかつての我らが王の魔力、異質だったわ。まるで……あの頃のロキ様ではない様なーーー」
『それは、不敬ではないか? お嬢………いや、誘惑魔女よ』
「黙りなさい!」
『ッ! 申し訳ありませぬ』
「良いのよ。でも、主様の前では緊急時以外姿を見せないでね。最悪の場合はリーダーも読んできていいわ」
『あぁ、わかっているさーーーー』
そう言ってアルプと呼ばれた黒猫は霧となって消える。
「ーーー誰にも聞かれていないわよね?」
テオスの部屋の扉の前ーーー
一羽の梟が飛んでいる。
その梟は思案する。
(やはり、ロキ様が復活なされていた。今、ここには熾天使が2名、悪魔王が2名、神が1柱、その他諸々の神話級の種族が多数住んでいる。この地はまさに神の居城。主様に念話をしなくてはーーー)
「ーーー見つけたぞ!」
その声を聞いた瞬間「チッ」と心の中で舌打ちする。
それと同時に、流石だなとも思う。
(流石は、六大魔神の統括者……ルフス! だが、これでは我が主……いや、我が本体に念話できぬ)
そもそも、分身ということすら見破られていそうな気がするのである。
そう考えると羽ばたきしルフスから逃げる。
「あ、待て! 待つのじゃ!」
そして、ルフスはその梟を追いかけるーーー
様々な種族が集う神城ーーー
読んでくださり有難う御座います。




