33話 深淵
そして、ジョーカーに負けたニーズヘッグは制約を結んだ。
その1、テオスに対して危害を加えない事。
その2、テオスの命令に従う事。
その3、あらゆる種族に対して危害を加えない事。
その4、世界の基準で“悪"と見做された者達を始末する事。
その5、死なずに生き続け、揉め事、策略を弄さない事(必要時以外)
と、言う内容の制約を。
多くね? とは思ったものの、ジョーカー曰くこれぐらいで丁度いいとの事。
ニーズヘッグ……何をやらかしたんだ? と思った。
てか、レアってどこにいるんだろ?
『やっと来たんやなぁ、テオスはん』
え……
疑問に思い周囲を見渡す。
『あぁ、念話やよ』
そう言いながらクスクスと笑っている気がした。
そうなのか……
『で、レアはどこにいるの?』
『奈落、最深部ーーーその名は深淵、そこに封印されとるよ』
『えッ!? 封印?』
『せや、私は封印されとるんや』
『何で? 封印されてるんだ?』
『それはなーーーー』
そう言う声が聞こえて念話が切れる。
えッ!?
なんで切れたんだ?
どうやって再接続すれば良いんだっけ?
あれ? 叡智之神?
応答がない!? 何で?
あ、それも大事だけどレアは……
まぁ、行ってから直接聞くか。
行けるかどうかは別として。
「じゃあ、この奈落の最深部ーーー深淵に行くか!」
「あ、あ……あり得ない。出来ると言うのか? 世界を渡るという事を⁉︎」
心底驚いたようにそう言うがーーー
「貴様、テオス様をお疑いになっているのですか?」
圧をかけてジョーカーが発言したことにより、一瞬で黙った。
まぁ、最深部って言ってたから下に降りていけばいつかは着くよね。
テオス達が転移した場所から計算して奈落15階層ーー
もう……一階層そのものが広い!!
「はぁ……はぁ……ニーズヘッグ、最深部って何階層なんだ?」
「分かりませんよ!? 今ここが何階層かわかりませんから」
「あ〜〜はいはい、すいませんね」
ふ〜ん。
最深部の場所は知っていると……
「貴様、テオス様に謝罪させるなどーーー」
「まぁまぁ、良いじゃないですか。テオス様はこの世界に来てからというものいきなり様付けで呼ばれたり、色々不測の事態があったんですから……それに、友達も居ませんしね……」
あ〜……ネクロひでぇ事言ったな。
結構、気にしてたんだぞ……
「おい……それはひどく無いか?」
「それは、すいません」
「まぁ……良いよ。それにもっと楽に話して欲しいな」
「あ、宜しいので?」
そうネクロが俺に問う。
「あぁ、その方が気楽で良いし」
「では、そうさせて頂きます。ん? 魔力の反応がありますね」
「ーーーでは、私が行きますよ」
「え? 行ってくれるの?」
「はい」
そう言ってニーズヘッグは歩いて行く。
へ〜以外……
そんなことを思っていると、黒色の鱗(?)の頭が9つある蛇が現れた。
あれは、蛇?
いや、デカ過ぎる……てか、黒っ! 何だあれ!?
……って幼少期に漫画で見たヒュドラに似てるな。
「………あれは九頭大水蛇!! ならーーー」
「なぁ、ジョーカー……ニーズヘッグ、大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ、テオス様。アイツは竜であり蛇でもある竜蛇ですし、破邪巨神竜様と互角に戦える位には強いですから」
ルフスを比較に出されても……
あいつが戦ってる所、見た事ないしなぁ………
「………ど、退け!!」
ヒュドラがそう言った瞬間、口を開いた。
「ーーーー黙りなさい。貴方こそ、其処を早く退きなさい」
そう口にし、瞬間移動した様に跳躍する。
そしてその勢いを殺さず降下し、ヒュドラ(9頭分の1頭)の額板に蹴りを入れる。
読んでくださり有難うございます。




