28話 演奏ーー
そして、暗い世界が色付くと……
この光、ピアノ何かのコンクールのときのスポットライトみたいだな…
何かが霞んでいる気がしたのでよく目を凝らしてみると……知らない女性がいた。
誰だ!? 侵入者か!?
〈告。敵意は在りません〉
そ、そうか……
すると、
「お母様ッ!」
そう言う声が聞こえた。
あぁ、そういえば、きらきら星変奏曲って本当の曲名は『あぁ、おかあさん、あなたに申しましょう』だったな………
って事は何か言いたいことがあったんだな………
ん? なんでそう思うかって?
それは、無属性魔法の『独自世界』の音属性版(俺が使用したヤツ)は幻想世界だが、夢幻を見せるのではなくあくまで現実の中の幻想なのだ。
簡潔に言うと、使用者もしくは対象者の願望が反映されるのだ。
ん? なぜ1回しか使っていないのにそんなことが言えるかって?
それは、叡智之神が解析鑑定してくれていたからだ。
「お母様…?」
「えぇ、でもね…私がここに居れるのも後少しなの」
「なんで? お父様も行方不明になっちゃって……お母様も…」
もしかしてーー
「大丈夫よ……安心して、お父さんは現世にいるわ」
その女性は優しい口調でそう言った。
「で、でも…お母様も亡くなって……あれ? お母様は何故ここ居るの?」
「お父様の居場所を教えてあげるためにね」
「じゃ、じゃあお父様は今どこに……?」
「一つ言っておくわ。お父様は一度亡くなっているのよ……でも、この世界には……このお城の中に居るわ。探してね、フィリア」
そう言いながら彼女の体が光の粒子になっていく。
彼女を魔法で蘇生ーーー
「ダメよ。それでは冥界神様の代理、墓守様が来るもの。お願い、これじゃ……墓守様に…お願いした、意味が……無くなる…ものーーーーー………」
そう言って彼女は光の粒子となって消えた。
悲しいな……
死亡した者が現世に来てまた、死亡ーー
読んでくださりありがとうございます。




