21話 音
俺達は今、世界樹の森を歩き続けている。
<告。複数の魔力反応を確認しました。数はおよそ30体です>
は……? なんで、こんなに立て続けに魔物に遭遇するんだろう?
まぁ、襲ってくるなら容赦はしないけど……
とか、そんな事を思っていると…
犬の様な…狼の様な魔物が出てきた。
それと同時にリルが前に飛び出して行った。
そして蹂躙していく……と、思ったのだが。
なんか、おかしくない?
なぁ、叡智之神…敵全体に解析鑑定してくれる?
<了>
さて、どんな結果が出るかな。
解析結果
種族名:人狼
個体名:なし
レベル:21
HP:1200/1200
MP:0/0
能力:気配感知・爪撃・狂暴化
魔法:なし
耐性:物理耐性・魔法無効
称号:なし
なッ⁉︎
何だ、これ…
<告。この魔物は操られています。操っている者は蜘蛛ではない事だけは断言可能です>
そうか、蜘蛛……後で名前つけてあげよう。
ん…? これは何で操られているの?
<解。魔力による支配です。支配方法はーー>
いや、それはいい。
<……了>
何だ? 今の間…
よし、なら…魔法無効って記載されているけど…
多分…音の魔法があるなら。
何故かって? 理由は簡単、生物全てに影響を及ぼす物こそ……音。
すなわち音は自然現象に等しい。
なら、無効化されないのでは? と思ったのだ。
そして俺は叡智之神の権能である魔導之大書庫を使い、この世界に存在する魔法を全て記録している本ーー魔導書ーーを選ぶ。
そうすると…光粒子が集まり一冊の本の形になる。
そして、俺はそれを開き音に関する魔法が無いか調べる…そして見つけた。
音属性魔法をーー
俺はこの世界に来て初めて魔法の詠唱で口を開いた。
何故かって? 何故だろうね?
地球にいた頃はピアノを弾いていたからかな?
音楽は、人を生かし…殺す事が出来るのだ。
「音属性魔法-『演奏楽器』」
そう言って指揮棒を取り出す。
するとーー
<告。この指揮棒には音属性魔法全てが付与されています>
え? 全て?
<はい>
まじか…じゃあーー
「音属性魔法-『旋律楽譜』 『音楽演奏』」
その瞬間、世界で初めて人間達は音楽を聴いたーー
読んでいただきありがとうございます。
もっと沢山の人達に読んでいただける様努力していこうと思います。




