104話 狂気に染まりし者
僕は地面に咲いている草花に念話を繋ぐ。
そして、ある事をして欲しいと頼む。
すると……ロキの動きが草花によって行く手を阻まれる。
「……!」
その瞬間、僕の横にあった花の蔓や茎などが捻じれる。
そして、それは1つの凶器と成る。
その凶器はロキの心臓目掛けて突き刺さる。
───刹那、紫電に似た閃光が見えた。
僕は、あまりの眩しさに目を瞑る。
な……!
何だ?
何が起きた!?
そう思いながら目を開く。
すると、眼前にあった光景は───
「何故!? ロキ、君は───」
そう。
眼前に見えるのは、無傷のロキ。
その足元には花の蔓や茎が落ちている。
それと同時に様々な花の花弁が辺り一帯を舞っている。
「何故? あぁ、質問の内容は、どうやって……あの攻撃を防いだのか、とかですか?」
「あぁ。どうやって、僕の攻撃を……」
「簡単な話ですよ。理を切り裂いたのですよ」
「理を……? まさかっ! 斬理剣の!?」
「俺は“騙す者”。自らの容姿や素性を偽り、自らの心をも騙す者───」
「? 何故、自らの心をも騙す者、と言ったのか訊いても良いかい?」
「簡単な話ですよ。俺の魔力は……本来、心情に影響を与えるものでは無い」
「何……!? それはどういう事───!!」
地面が揺れる。
その影響でか、黄金林檎の樹が斜めに倒れている。
まぁ、“果実”が無事ならまだ良いか。
「ロキ、君は一体……何が目的何だい?」
ロキは口元を隠しながら笑う。
そして、一瞬にして笑みが消える。
「───復讐」
その黒色の瞳は断固たる意志の現れの様に感じた。
そして、彼の声音が先程までの巫山戯た様な口調では無くなっている。
「復讐……? 誰に復讐するんだい?」
「貴様は知らなくて良い。これは、アイツと俺の喧嘩だ。口を挟まないでくれ」
「それは、誰にも邪魔されたく無いと?」
ロキは頭を押さえ、呆れた様に溜息を吐く。
「まったく、人類の神の癖に……“混沌”を理解していないとは……!! 何故、そこまで理解していない!?」
ロキの怒号が精霊界に響き渡る。
「な……何故、そこまで怒るんだい? それに、混沌とは───」
ロキが頭をかき、怒鳴る。
「もういい、黙れ! 貴様とは喋る気も無い! 精々、世界樹の帰還でも待っておけ! まぁ、無事に帰ってきたとしても、精神の方はまともでは無いだろうがな……ッ!!」
「では、暫くはこの台本通りで良さそうだな」とオルトゥスに聞こえぬ声でそう呟く。
「……? 何か言いましたか? それに今……」
「いえ、では……俺は帰るとしよう」
ロキの瞳が淡く光った気がした。
刹那、ロキの体が黒く変色する。
体を闇に変えている……?
でも、今の僕に彼の転移を妨害をする事は出来ない。
僕は立ち尽くしていた。
いや、動けなかった。
先程まで動かせていた体が動かなくなっている。
「また会おう、オルトゥス。次会う時までには……”覚醒“しておけよ───」
その発言を残し、ロキの体は完全に闇に成り精霊界から姿を消す。
バレていたのかい、ロキ。
僕が……”真なる神人“になっていない事を……。
何故、オルトゥスは動けなかったのか───!?
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