102話 邪悪な思想
俺は自らを中心とする半径5mの範囲に瘴気と狂気、そして魔力を波動にして解き放つ。
それをオルトゥスは気力だけで耐えている。
ふむ、強いな……意志が。
流石は、と言った所か。
「フッ! フ……フフ、フハハハハハハハハハ!!」
そう嗤うと同時に俺の心身に渦巻く全ての瘴気と狂気を解放する。
「くっ……! この力は……! 君は……何者なんだい?」
「何者? どう言う意味ですか? 俺は俺、それ以外の何者でも無い! 違うか?」
「いいや、違わないよ」
オルトゥスは少し目を閉じ、ふっと微笑した。
何だ……?
まさかッ!
俺の正体に───
俺がその疑問に辿り着いた瞬間、オルトゥスは目を開ける。
「やはり、君は変わってしまったね。あの世界に行ってしまってからは……」
あの世界?
何ですか、それは……?
……! もしかして───
「おや? 知らない、と言いたげな表情をするね。君は。まぁ、仕方ないか……君は僕を知らない。でも、僕は君を知っているのだから……」
俺の全てを見透かしている様な視線を向けてくる。
俺の正体は……誰にも明かさない!
誰にも言わず、復讐する!
必ず、アイツを殺す!
だから、俺の正体を知ってしまった者は生かしてはおかない。
オルトゥス……貴様には───死んで貰おうか。
「───絶死・斬滅」
俺はそう告げ、オルトゥスの元へ疾駆する。
「な───!?」
オルトゥスが驚愕した様な表情になる。
俺は時空間魔法の『瞬間移動』を使用し、オルトゥスの背後へ移動する。
そして、魔剣───レーヴァテインを力強く振り下ろす。
今日が貴様の人生の終幕だ!!
「何だ、その程度か……」
刹那、冷酷なオルトゥスの声が辺りに響く。
すると、オルトゥスの人差し指と中指で剣が挟まれていた。
……は?
何故だ?
何故だ、何故だ、何故だ、何故だ、何故だ、何故だ、何故だあああ!!
何故、お前が止めれる!?
俺の一撃だぞ!!
俺の!!
何故、貴様なんかが俺の剣速に───
「不思議かい? ロキ」
「え、えぇ……何故、貴方が俺の剣撃を見切り、防ぐ事が出来たのですか?」
「ははっ、そんな事か」
オルトゥスは俺を嘲笑う。
そんな、事だとっ……!
「簡単だよ。僕は“意思”を司る。そして、人類は武器を持つ以前───何をしていた? それが分かれば、僕の能力の一部がわかる筈だよ」
あぁ、そういう事か……。
本当に……コイツは俺の神経をどれ程、逆撫ですれば気が済むんだ!?
赦さない……。
赦さない!
赦さないッ!!
そうですね……手始めに、世界を消滅させる前に……。
───貴方から消滅させてあげましょう!
俺はその考えへ至り、邪悪な笑みを深めた───
世界の消滅を望む思想───
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