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第26話 嬉し恥ずかしダンジョン探索

ついに8000ptを越えました。

ブックマーク、評価をいただいた方ありがとうございます。

1万ptぐらいまでいけたら嬉しいな。

引き続きよろしくお願いします。

 王都を出て、馬車に揺られること1時間、

 我は件のダンジョンへとやってきた。

 ダンジョンと名前がついているので、大層な迷宮か古代遺跡なのだろうと、想像していたが、なんてことはない。


 単なる洞窟が、欠伸をした鯨みたいにポッカリと空いていた。


「ここがダンジョンか?」


 何とも雰囲気がないなあ。

 魔窟というから、どんな魑魅魍魎の気配がするかと思っていたが、これならば熊の穴蔵の方がよっぽど危険なのではないだろうか。


「どうしたの、お嬢ちゃん?」


「友達のもとに行かないのかい?」


 2人の冒険者が尋ねる。


 2人はジーダ、ゴンスルと名乗った。

 この道10年のベテランというが、我にはこやつらが何かのスペシャリストのようにはとても見えぬ。


 とはいえ、達人というのは、己の力量を欠片も見せない故、達人と言われている。

 こやつらも、その高みに達した者であるという可能性は捨てきれぬが……。


「はい。今、行きます」


 我はジーダとゴンスルに付いて、ダンジョンの中に入っていく。


 中は真っ暗で、一寸先すらわからぬ。

 加えて、1本道がだらだらと続き、天井も低く、道幅も狭い。

 仮に魔獣に挟撃されると、一気にピンチになるだろう。


 我には問題ないが、ハートリーやネレムは無事であろうか。


「少しペースを上げてもらってもいいですか? 友達が心配です」


「この暗闇じゃねぇ。あまり急ぐと危ないよ」


「問題ありません」


 我は【邪視(ジャック)】をジーダとゴンスルにも施す。


「な、なんだ?」


「す、すげぇ! 暗闇なのに、道がはっきり見えるぜ」


 随分と慌てている。

 【邪視(ジャック)】は瞳を一時的に魔眼化する魔術だ。

 使い方によっては、対象を魅了や石化させることも可能(我には通じぬが)。

 今は2人に暗闇でも見えるようにしただけだ。


 大した魔術でもないのだが、何故この2人はこんなに驚いているのだろうか。

 10年冒険者やっているのだから、これぐらいは知識として持っていてもおかしくないだろうに。


「じゃあ、急ぎましょう」


 我は走り出す。


「ちょっ! 早ッ!」

「お、おい! 待て!!」


 慌ててジーダもゴンスルも付いてくる。


 奥に行くと1本道だったダンジョンに岐路が現れた。

 次第に複雑化していく。

 我は魔術でハートリーたちの居所を探索した。

 おかしい……。

 ハートリーはおろか、他の冒険者の気配すらない。


「本当にハートリーさんやネレムさんが、ここに来ているのですか?」


「え? ま、間違いないよ。ハア……。ハア……」


「し、心外だな。俺たちを疑ってるのかい? ぜぇ……。ぜぇ……」


 別に疑ってるつもりはないが……。

 これ以上の詮索はしない方が良いか。

 後でネレムに迷惑をかけてしまうかもしれないからな。


 しかし、この洞窟……。

 初めは気付かなかったが、どこかで見たような気がする。


 やがて、我らは洞窟の最奥へとやってくる。

 そこは行き止まりだ。

 大きな空間になっていて、奥には崩れた祭壇のようなものがある。

 結局財宝はおろか、魔獣1匹とも遭遇しなかった。


 ガコンッ!!


 突然、部屋の入口が閉まる。

 ジーダが壁にあった仕掛けのようなものを動かしたらしい。

 すると、ゴンスルがヤニが付いた歯を見せびらかすように笑っていた。


「ジーダさん? ゴンスルさん?」


「「げへへへへへへ……」」


 ジーダとゴンスルの雰囲気が変わる。

 何故か、好色げに顔を歪めていた。


「こうもあっさり捕まるとはな?」


「久々の上玉だ。たっぷり楽しませてもらおうぜ」


 捕まる?

 楽しむ?


 ほう……。なるほど……。



 お前達も気付いていたのか、このダンジョンの絡繰りを……。



 我はすでに手をかざしていた仕掛けを起動する。

 その瞬間、部屋の中央に召喚陣が光を帯び出現した。


 その陣から何やらせり上がってくる。

 現れたのは、巨大な竜であった。


「げええええええええええええええ!!」

「まさかあれは、大地竜(グランドドラゴン)??」


 ジーダとゴンスルは目を剥く。

 腹ばいになった大地竜は、慌てる2人の声に反応する。

 すると、翼の代わりに背負っていた甲羅のようなものが、ムクムクと動き出す。

 ぽっかりと無数の穴が空き、射出されたのは、高硬度に固められた結晶弾だ。


 雨あられとばかりにジーダとゴンスルに降り注ぐ。


「「ぎゃああああああああああああああああああ!!」」


 冒険者2人の悲鳴が響く。



 【絶喰(ブリスト)】!!



 落ちてきた結晶を我は風の魔術ですべて粉砕する。

 続いて、我は魔術を詠唱した。



 【地獄焔(ヴェルファリア)】!!



 まさしく地獄の猛火が、出現した大地竜を飲み込む。

 大地竜は高硬度の甲羅を持つ竜。

 その守りは堅い。

 だが、我が放つ【地獄焔(ヴェルファリア)】はまさしく地獄の猛火だ。


 竜種では上位であれど、我からすれば下等な獣でしかない。


 1分と経たぬうちに、大地竜は骨も残さず溶け、消滅した。


「な、なんなんだよ……」

「何者なんだ、あの嬢ちゃんは」

「付き合ってらんねぇ。に、逃げようぜ」

「そ、そうだな」


 何か2人で喋っているかと思えば、ジーダとゴンスルは突然転進した。

 だが、2人を阻んだのは、自ら閉じた入口だ。


「な! 開かねぇ!」


「何をやってんだよ! 早くしろ」


お前たち(ヽヽヽヽ)何をやっている(ヽヽヽヽヽヽヽ)?」


「「ひぃいぃいぃいぃいぃいぃいぃいぃぃいいぃい!」」


 2人は大げさに悲鳴を上げた。

 我の方に振り返る。

 顔は青ざめ、脂汗が垂れていた。

 まさしく恐怖に戦いている。


 聖クランソニア学院でもよく見る表情だ。

 どうやら、我がジャアクだというのは、冒険者の間でも知れ渡っているらしい。

 それだけ、あの学院の影響力が強いと言うことだろう。


どこへ行くつ(ヽヽヽヽヽヽ)もりだ(ヽヽヽ)?」


「そ、それは……」

「お。おい。なんか雰囲気違わないか」


 ジーダもゴンスルも息を飲む。


 雰囲気?

 あ。そういえば、いつの間にか元の口調に戻っていたな。

 だが、仕方ないことだろう。

 ここは、少々この大魔王ルヴルヴィムに縁のある場所だからな。


「進むぞ、2人とも」


「進むってどこに?」


「ここは行き止まりじゃ――」


 すると、我は別の仕掛けを押した。

 部屋の奥に、道が現れる。

 かなり奥まで続いていた。


「さあ、行こう……」



 我が宝物庫へ……。


感想、いつも楽しく、そして勇気をもらっております!


返信の方ですが、

現在、他作品の商業原稿の作業が佳境を迎えていまして、

ちょっと遅れると思われます。

ただ目は通しておりますので、どんどん書いていただけると励みになります。

よろしくお願いします。



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[良い点]  魔王のイケニエ(?)1号、2号 [気になる点] >単なる洞窟が、欠伸を鯨みたいにポッカリと空いていた。  ちょっと文章が変な感じですかね。
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