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子供に

作者: タマネギ

朝早くから、夜遅くまでと、

子供たちに言われたことがある。

そのありがとうの言葉で、

ぼくは、子供に戻っていた。


父親を思い出したのだ。

その日、子供になったぼくは、

思い出の向こうの父親に、

ありがとうと言っていた。


あれは、昭和のことだ。

朝早くから、夜遅くまで、

みんな、よく働いていた。

よく働いているとわかった。


今の子供は、学校に、

あまり行かなくなったのか。

朝早くから夜遅くまで、

大人も何をしているんだろう。


昭和は、わかりやすかった

好きな番組を見るために、

すべてをその放送までに済ませた。

楽しみは何倍にもなっていた。


子供たちに言われた

あの、ありがとうの言葉を、

今の自分が思い出したのは、

寂しさが先に立っているからだ。


父親が肺を煩っている。

医者がこんな肺は初めてだと、

そんな風に言っていた。

それくらいの肺気腫だ。


少し動くとぜーぜー、

少し話すとはーはー、

昭和によく働いた父親は、

今はほとんど眠っている。









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