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生まれ変わりは異世界で  作者: キンゲジマン
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ブン屋の誕生

それからずいぶん時間が経 経った。ベラスたちは、それなりの回復が出来たのか会話が出来るほどになった。

三銃士とベラス以外は、そのまま悪臭を放つ肉塊に成り果てた。

木人達もそもそもそうなることは想定済みのようだった。ある程度は、外れの穴に放り投げ、ある意味使えそうな一部は里の植物園の肥料となった。

元を考えると複雑だが、良質の肥料になるだろうと。


三銃士は、すぐに話せる状態になったものの、ベラスからの指示がないと話せないのか、一切口を開くことはなかった。


ベラスはというと、腹部の再生が済むと洋服もまた、再生され、もと通りの格好に戻った。装備や洋服については、三銃士も同じだった。


ベラスから鬼についての情報となぜ襲撃に至ったのか聞くことにした。

ベラスらの拘束用には、他の蔦を撚り合わせ、強度が一般の蔦の約100倍というものが使用された。何でも、時折一回層から一気に荷物をあげる際に使われる、とても貴重なものとのことだった。


鬼のこと、自分のこと、ベラスらのこと、聞いた。


ベラスは、観念したようだった。


ベラスによれば、世界樹の第5層から地上部があるようで、地上部から他の文化圏である国と言われる人種や種族ごとの集団が構成されているようだった。


吸血鬼は、鬼族の亜種であり、角の数によらず吸血により、レベル上げや寿命を延ばすとのことだった。

ベラス自身、先のキンゲジとの一戦で、力の差を感じ下層の獣人や魔物を喰らい続け、力をつけてきたと。十分レベルもあげ、従属使役と眷属召喚によって、攻撃勢力を作った。おそらく上に向かったであろうキンゲジを追ってやってきたとのことだった。


鬼族との遭遇は稀であり、あっても2角鬼。

今回、ベラスは2角鬼を狩りまくって来たと。ただ、それも最下層の洞穴で運が良ければの話と。吸血鬼の戦い方としては、広い空間の中での戦いが有利なこともあり、美味しい相手とは言いにくいものだそうだ。


ベラスが知っている鬼の概念では、一角鬼は体力が高く、格闘術に優れ、角の数が増えるごとに魔力も増えて行くようである。

伝説の一角鬼と呼ばれるゴーンは、その角から衝撃波を繰り出しながら、大陸の一個師団を壊滅させたという話しが有名と。

魔王と呼ばれる存在は、ベラスの知る限り3個体いるようであるが、その内の一つが鬼族のようであり、七角鬼のゼーペという恐ろしい魔王がいるとのこと。

そのゼーベが治める国が、鬼国マードリアであり地上部から東の果ての港より、さらに船で50日ほど離れたところにあるようである。


ベラスから見たキンゲジの印象は、やはり一角鬼であり、習得経験値や吸血による使役下僕としては最高の素材だったよう。

鬼の幼体は、防御力も低く

いわゆる美味しいエモノだったようだ。

そんな美味しいエモノの反撃は、ベラスのプライドを著しく傷付けた。

何としてもという一心で今日まで来たと言うのが本心と。


吸血鬼は、人間体での装備一式などの付属品を魔力による補正で、コウモリ体からの変化時に引き継いで再生されるとのこと。装備が破れたり、壊れたりしたとしても、基本装備はなくならず、物質化出来るそうだ。

ただし、伝説の武具、防具など、それ自身に大きな魔力を有する装備品に関しては、変化のいかんにかかわらず、再生等は出来ないようだ。


ベラスのジョブはロード。騎士からのセカンドジョブとして考えたようだが、使役数の多さからセカンドで騎士の上位ジョブではなく、ジョブ自体の変更をし、使役数全体を選択したとのこと。


なるほどと思いながら聞き、書物だけでは得られない知識に満足した。


ベラスから見ると俺の速さは驚くべきもので、数で押せばあるいはと考えての戦法だったようだ。


レベルの概念についても、聞いてみたが、それほど為になる知識はなく、経験値としての収入が多いほど上がるが、具体的な経験値の多さの違いやジョブの種類について詳細なものはなかった。


ある一定程度のレベルに達すると取得ジョブが提示され、ある一定の条件の元ジョブ変更や取得が可能となるようである。


取得ジョブに制限はないようであるが、ジョブの取得による全体のステータス上昇はかなりのもので、ジョブは多ければ多いほど、戦闘には有利なようだ。

そんな話を聞くとベラスのセカンド取得でなく、ジョブ変更したことへの勝利の執念のようなものを感じた。


俺の場合、まだジョブ取得の選択肢自体も出ておらず、これから先が長い気がした。

ベラスによれば、基礎経験値の積み上げ上限が高いのだろうと。

一般的に積み上げが高ければ高いほど、希少ジョブの種類が多くなる傾向にあり、鬼族の体力的なポテンシャルからすれば楽しみとして良いだろうとのことだった。


また、俺の所持している肩掛けカバンは、冒険者用の魔法のカバンのようであり、質は最高だろうと。


火龍と言われる竜族の上位種の皮をかなり丁寧に仕上げているものだそうだ。

戦闘時の邪魔にならなさ感や地竜を含めた炎攻撃にあっても汚れて一つ付かない点からもおそらくと。

また、細部には他の属性の付いた金具もあるようだが、詳細は鑑定眼をもった者に見てもらうのがいちばんだろうと。

里の道具屋であらため聞いてみよう。


ベラスからの情報に満足すると、ベラスからは早く殺してくれ、楽にしてくれと切ない懇願が出され始めた。

前ジョブである騎士や使役する側であるロードと言った特性と吸血鬼というプライドからなのか。


木人達によれば、吸血鬼からのこれまでの被害はなく、木人達にも今回の戦闘での被害がないことから、特に生死にこだわりはないようだ。

俺としても、これだけの情報源をみすみすなくすのもどうかといったところ。

経験値だけで言えば、ここで4匹プラスされても大した変化はないだろう。

地竜クラスの4匹なら話は別だが。


殺したいわけでもないので、今後も情報集めとして動いてもらうことを条件に逃がすこととした。

その動きがこの世界的なのか不明だが、まぁいいだろう。


とりあえず、上層を目指して地上部での活動とレベルアップによるジョブ取得を目標にしていこう。

ベラス達はその場でリリースし、木人達からは、2回目の宴を催しもらった。


この世界に来て、何度目かの夜だろう。

見た目としても、実感としても成長している感覚はあり、身体もふた回りは大きくなっている感覚がある。

何よりも食べる量がケタ違いで、前回の歌がの時に全部食えなかった巨大芋虫はおかわりするほどだ。


ベラス達はその騒ぎの中、知らないうちに逃げていったようだった。


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