プロローグ
間違って消してしまったんでもう一度
どうやらこの世界の男女の関係は、俺が前世で生きていた世界とは真逆らしい。
というのも、この世界で当たり前のように使われている魔法は、ほぼほぼ女性にしか適性がないのだ。だからといって男が使えないわけではない。しかし、せいぜい男が使える最高ランクの魔法が、女からしてみれば初歩なんていうのはよくある話で、それがきっかけで女が強く、男は守られる存在という概念が定着したと思われる。
うちも例に漏れずそれに当てはまる。うちの一家は女4男2の6人家族なのだが、これが完璧な女帝家族なのだ。
家の付近を魔物がうろついた時は母さんが撃退のために外に出て行き、父さんは不安そうに家で俺たち子供を守る。姉3人から「大丈夫よエリオ(俺の名)。お姉ちゃんが守ってあげるから」と言われ頭を撫でなれた時は流石に苦笑いが漏れた。
14歳の時、つか去年、俺に突然魔法が芽生えた。この世界でも最強クラスの適性……な訳がなく、姉3人に比べたらカスのカスレベルだった。それでも男の中ではかなりいい線らしく、急遽親の意向で姉3人が通う学園に受験することになった。
そこからは猛勉強。うちの姉は優秀すぎるみたいで、通ってる学園もずば抜けて偏差値が高い。今まで勉強してこなかったツケをここで一気に払う羽目となった。
その甲斐あってか俺は見事合格。晴れてこの"ローリアナ学園"の一年生となった……訳だが………
「おはようございますお兄様!」
「お兄様!バックお持ちいたしましょうか!」
声をかけてくるのは何故か同級生の男子ばかり………。
ど う し て こ う な っ た。