僕には最高の友達が一人いる
僕には最高の友達が一人いる。僕が悩んだときには助言してくれ、僕が宿題をやっていないときは手伝ってくれ、僕が弁当を忘れたときはいっしょに何も食べないでくれ、僕が話しかけれないで困っているときは応援してくれ、僕が二人組みで一人で余ったときには僕と組んでくれ、僕がいじめられているときは見守っていてくれ、僕が眠れないときは子守唄を歌ってくれる、まさに理想の友達。
【解説】
とっても暗そうな「僕」だが、そんな「僕」の「友達」がこの話の焦点になる。文章中に「僕が二人組みで一人で余ったときには僕と組んでくれ」、「僕がいじめられているときは見守っていてくれ」とある。
この「友達」が実在するのであれば、「僕が二人組で一人余ったとき」には、当然この「友達」は誰かと二人組になっているはずなので(「友達」が誰かと組んでいないならそもそも一人余ることがない)、この「友達」は現実に存在していないか、若しくは「僕」以外の他者には視認できない存在であるということが推察できる。
そして、本当に「僕」にとって最高の友達であれば、「僕」がいじめられている時には助けてくれると思うが、「僕がいじめられているときは見守っていてくれ」とあることから、その「友達」は他者には干渉できない存在であるということがわかる。
このことから「友達」は「僕」が創りだしたイマジナリーフレンド(イマジナリーコンパニオン)であると思われる。
イマジナリーフレンドとは、直訳すると空想の友達で、その名の通り、本人が頭のなかで創りだした友達で、作成者と会話をしたり、視界に映し出して一緒に遊んだりすることもある。ちなみにイマジナリーフレンドは、人の成長過程では決して珍しいものではなく誰にでも起こりうることなので、イマジナリーフレンドがいることそのものは怖いことではない。
ただ、多くの場合、幼年期のみに現れ、成長とともに姿を消す存在であり、いつまでも存在していると解離性同一性障害(二重人格)等の原因にもなるおそれがあることを指摘されている。
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イマジナリーフレンドを成長してからも持っている人は創作能力に長ける傾向があるという説がある。もし、イマジナリーフレンドが成長しても消えないという方は悲観的に考えずに、自分には創作の才能が有るのかもしれないとポジティブに考えてくださいね。中には、大人になってから人為的にタルパと言われるイマジナリーフレンド(正確には違うものらしいが本質的にはかなり近いものと思われる)を創る方もいるそうですから。
ちなみに私もイマジナリーフレンドがいたりします。