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出会

 R15のガイドラインには沿っていますが、成人男性が特定の女を猛烈に求める(求愛)が一つのテーマなので、全般的にエロい成分が濃厚だと思います。


 また、もう一つのテーマとの関係で、ヒロインは極端に違う常識を持っており、全く共感できない可能性があります。


 そんなこんなで、不快に思われる方が居たら、本当に申し訳ありません。


 なんのかんの言っても、裸から始まる恋愛もの書きたかっただけ、なのかもです。


 俺は、(わたり 幸介(こうすけ)、ライターをしている。出版された小説やドキュメンタリーもある。もっとも、売れちゃいないがw

 得意は、丹念にネタを──それこそドブさらいのように──追いかけて、物にして、売る事だ。週刊誌なんかは上客だが、政治家とか企業とか団体とか、変わった所では研究者とか、色々な需要がある。

 そういう意味では、探偵とかブローカとか思われている節もあるが……俺はライターだ。文章を書く事が生き甲斐だ。ネタ集めのために、駈けずり廻るのは苦にならない。その費用を出してくれるなら、俺としては満足だ。そういう意味で、足元を見て吹っ掛けたりしないので、顧客からは幅広く信頼を得ている。


 今日も、遅くまで取材して家に帰る。何時もの事だ。急ぎ足で、青信号を渡っていると、トラックが突っ込んできた‼ ……?……


 噂の異世界転生キター!(^^)!


 死ぬ時だって、ネタを愛する心を忘れちゃいけないぜ。







 マジかよ‼︎ さっきと違う風景だ‼︎ マジ異世界転移したんだ。小説のお約束だった筈だが、目から鱗だ。


 この世界には、アスファルトとコンクリート、信号機らしき物もある。ローファンタジーてやつか?


 おっと、安全な世界とは限らない。まずは、周りの安全確……血まみれ死体がある。なんて、バイオレンス?


 イヤ、生きているのか?


「もしもし、大丈夫ですか?」


 救命講習で習ったように先ず意識レベルの確認だ。だが、異世界……言葉通じ無いんだろうなぁ。


「うぅ。貴方は?」


 うぉ! 異世界言語理解のチートキター‼︎ 口の形と聞こえる声が違うぞ!


「通りすがりの者だ。あんた、怪我は? 血(まみ)れだが、痛い場所は何処だ?」


「血塗れ……でも、痛くない。不味いかも」



 何事⁉︎ いきなり服を脱いだ⁉︎ エロい胸が丸見えだ!


「お願いです。自分で確認出来ない背中を診て下さい。急いで止血しないと死んでしまう」


 おお、そうか。女の裸に見惚れてる場合じゃ無い。一刻を争う事態なんだ。俺は、慌てて背中に廻って、出血の有無をチェックした。その間にも、女はスカートを脱ぎ捨て、太ももを露わにした。


「背中に出血は無い。 ケツも大丈夫だ。だとするとこの血は?」


「判りませんが…………もう良いですから、あっち向いて下さい」


 女は、一度完全に振り返って俺を探るように見つめてから、そう言った。そして、今度は、背中を向けて、血塗れの服を着始めた。


 何故? 態々、胸を見せびらかす様な事をするのだ?


「一体全体、何があったんだ?」


 俺は、背中を見せながら聞いた。


「そんな姿勢で、そんな事を聞いて、何に利用しようと言うのですか? ゆするネタにする気ですか? 舐めないで下さい」


 そう言いなが、俺の前に周り込んでキョロキョロ見ている。可愛い。タイプだ。さっきの裸が脳裏に浮かんで、ズボンの中が不味い状態だ。


 彼女は、チラリと股間に視線を飛ばした後で、冷たい声で再度話しかけてきた。


「何が、目的で聞いたか、答えて下さい」


「???イヤ、驚くじゃないか? 血塗れで。事件とか事故とか。心配するのが普通だろ?」


 彼女の視線が厳しい。


「本当だよ。可愛い娘だし声を聞きたいとか、ライターとしての好奇心が無いとは言わないけど……頭を打っているとか、打撲や内出血とか、事情によっては、見えない部分で何かあるかも知れないだろ?」


「トラックに跳ねられました。少なくとも主観では」


 何だと! 異なる世界のトラック事故が共鳴したのか⁉︎ 俺は、反射的に携帯に手を伸ばして110番を掛けた。


「はい。警察緊急電話です。何かありましたか?」


「ひき逃げだ。血塗れの女性がいる。意識はある」


「落ち着いて下さい。場所が何処か判りますか?」


 俺は、反射的に信号機を見て答えた。


緑翼(みどりよく)東の交差点だ」


「直ぐに向かいますので、安全な場所に移動して応急手当をして下さい」


 ふう。この世界でも警察は110番なのか。しかし、緑翼って、確か隣町にそんな名前の城跡があったな。相当に、似ている世界なんだな。

 俺は、彼女に向かい合って、安心させようと言った。


「直ぐに、救急車が来てくれる。この歩道に座って待とう。病院に行ってCTとか撮れば、内出血なども確認できるだろう」


 彼女が、凄く訝し気に眉根を寄せている。若しかしたら、異世界言語理解の翻訳機能が完全じゃないのかも知れないな。


「待っていれば、医者の居る場所に連れて行ってくれる。病院とかは分かるだろ? そういえば、この世界の医療費の扱いはどうなんだろう……若しかしたら、もの凄く高いのか?」


「救急車も歩道もCTも判ります。医療費? 貴方が呼ぶんでしょ。私が、知る訳はないでしょ」


 ???何を言っているんだ?彼女は?


「因みに、此処は何処で、何年で、君の名前は、ああ俺は亘幸介、ライターだ」


「何を言っているんです? 此処が何処なのか私には分かりません。少なくとも、私の国ではありません。何年か? 私の国では、玄和(げんわ)18年の9月17日ですが、知らない国の暦を知る訳はないでしょ。

 名前は……(わたり)幸姫(こうき)とでも名乗りましょう。貴方は、それで鼻の穴を広げられるでしょう」


 何だと! 彼女も、別の世界から転移してきたのか! 異世界転移の大バーゲンだ。


 そんな、くだらない事を考えていたら、救急車のサイレン音が聞こえてきた。彼女が名乗った偽名の影響で、関係者と誤解されて、俺まで病院に連れていかれた。



次は、病院と警察、この世界での二人の立ち位置が明確になります。


なお、暫くは、毎日手動投稿します。(アクセス数を少しでも稼ぎたいw)


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