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CAFE IN THE CAT 作者:ida-Works.

1st Season-Spring

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Chapter 8「秘密の床裏倉庫」

今、目の前には隠されていた不思議な世界が広がっている。ちょっと信じられないくらい…………。
それは、『ハミング キャット』定休日の日曜日のことだった。僕は、日頃の疲れを癒すために長らく寝ていたのだが……
「爽くん! 起きるにゃん!!」
「まだ……寝てたい……」
「何言ってるにゃん!せっかくの日曜日何か楽しい事しようにゃん!」
と言って、無理やりに僕を起こした。でも、ルーナといるとこんなシチュエーションでもかわいく感じてしまう。
「何だか朝から騒がしいけどどうしたの?」
楓子も騒がしさのあまり起きてきた。
「ルーナが無理やり起こしてきて。休みの日も子供みたいに元気だな。」
「やっぱりルーナがいると場が和むなぁ。」
「さて、今日はせっかくだから店のキッチンでコーヒー作って朝ごはんにしよう。」
「ちょっと特別な朝だにゃん!」
すると、ちょうどいいタイミングでリミとディビも駆けつけた。
「おはキュルン! みんなお揃いじゃない!」
「私たちも一緒に朝ごはんみゃう。ついでに血もよこせ!」
今日はいつも洋食ばかり作ってきたから、趣向を変えて和食を出してみる。猫の好物である焼いたシャケに、ほうれん草の煮びたし、味噌汁、そして極めつけは卵とご飯で僕も和食の中では一番大好きな卵かけご飯を用意した。
「なんで、爽くんの料理はいつもこんなにおいしいんだろうにゃ!」
「さすが、爽くんみゃう! お魚がめっちゃおいしい!」
「これが、爽流和食定食ってもんよ!」

朝食を食べ終わった後、さて何しようかと考えていたら何かにつまずいてしまった。
「うわっ!痛ってぇ。何かつまずくよなものでもあった?」
そこにあったのは床につながるふたのようなものだった。
「それ私も前から何なのか気になってたにゃん。」
「このふた、一回開けようとしたことあるけどなかなか開かないんだよな。」
「みゃう!中はどうなっているのか見たいみゃう! もしかして、中に高級チョコとかが入ってたりして……」
「そんなまさかぁ。」
「お金もがっぽがっぽキュルンふっふっふっ!」
「リミの目が完全にお金だ……」
「いや、あり得るかもしれない。」
「キュルン!?小巻兄さん!いつの間に。」
「今日は定休日なんでしょ。手分けしてこの謎を解明していこうじゃないか。」
「なんだか、冒険気分だね。お兄ちゃん!」
「そうだね。まずは、その前に…… このふたを開けないと。」
こうして、僕らは謎のふたの解明を始めた。

「そういえば、うちの親父がこのふたの錆がどうのこうの言ってたけど……」
「錆? あっ、本当だキュルン。というかその事早く言ってキュルン!」
「親父の事だから、錆を取ろうとしたけどめんどくさくなったんだろうな。」
「あなたの父さん、どれだけだらしなかったの?」
小巻兄さんの父さんもとい先代の大家さんはかなりのめんどくさがり屋だったらしい。
というわけで、錆取りスプレーで錆を取りいざふたを開けると……
「うわぁ、はしごだ。冒険感が出てる!」
「この下ね! きっとトレビア~ン!だろうなぁ。」
「なりふり構わず、行くみゃう! 待ってて私のチョコレートちゃん!」
「ああ! ディビちゃん待つにゃん!」
「ちょっちょ、お前ら先行くなよぉ……」

僕らは猫たちの流れではしごを降りて地下へと向かった。するとそこには、不思議な空間が広がっていて……
「何これ…… 予想通りお宝の山!!」
お宝がたくさん詰まった床裏の倉庫。樽がいっぱいあって、少し海賊っぽい気分がする。
「これはすごい量にゃんねぇ。」
「それより、リミちゃん達はどこへ行ったの?」
「爽くん! こっちキュルン!」
リミは服が並んでいるところに立っていた。
「たくさんの服や素材の掘り出し物がぁ!! これはなんかにアレンジできそうキュルンねぇ。」
「相変わらず、リミはファッションにバッチコーイだね。」
「当然キュルン! ファッションは私の生きがいキュルン!」
「爽くん! 血をよこせぇぇぇ!」
ディビが僕の肩に急接近して、いつもより強めに血を吸う。
「ちょっと! 強く吸ったら死んじゃう!! ところで、チョコレートは見つかったの?」
「みゃう! じゃーん! 高級かつ黄金のチョコレート! 絶対あげないみゃう!」
「すごい! やっぱり、いろんな物が見つかるものなのね。お兄ちゃんはなんか探し物とかあるの?」
「探し物? 何か店で使える物があったら持っておこうかな。そういう楓子はなんかあるの?」
「う~ん、私たちに似たマトリョーシカ人形が欲しいかな。」
「マトリョーシカ?」
「フランスを離れる時、一緒にいた友達からずっと友達の印に私たちが描かれたマトリョーシカをプレゼントされたの。だから、私たちも何か絆に残るようなそういうやつが欲しいなと思ったの。」
妹の話を聞いているとフランスでも青春してたんだなと思った。すると、その時……
「楓子ちゃん、そのマトリョーシカあったよ。」
「えっ!? マジで!!」
「本当ですか? 大家さん。」
小巻兄さんが持っていたのは、僕らに本当にそっくりなマトリョーシカだった。一番大きいのが僕でそこから小さくルーナ、リミ、ディビ、楓子、小巻兄さんの六体だった。
「これそっくりすぎにゃん!」
「それにしてもここまでよく見つけたキュルンね。」
「俺もいろいろ掘り出し物探してたらちょうどよく出てきたんだよ。」
「ここの倉庫ってとってもミステリアスみゃう。」

そうこうしているうちにいつの間にか日は暮れていた。僕らはたくさんのお宝を持って地下から戻ってきた。
「今日は掘り出し物がいっぱい見つかったキュルン!」
「あの倉庫ってまだいろいろ秘密がありそうだな。」
「でも、小巻兄さん。絶対今日はあの床裏倉庫の謎が解明できてスッキリしました!」
「爽くん! お腹がぺこぺこにゃん!! 夕飯作ってほしいにゃん!」
今日はとても得した気分になれた。不思議な空間だったけど、たまにはこういう冒険もいい。いつまでもこういう冒険心は忘れないでいたい。そう思いながら明日からの日常に向かっていく。
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