勇者と魔王編(3)
次の日の朝、俺達は食堂に集められた。
なんでも、この世界や、勇者、そして、魔王について、昨日話せなかった細かいことや、質問できる時間をくれるという事だった。
‥‥‥‥朝起きてからは‥‥まあ、色々とあった。
竜也が部屋に来て、神崎さんと俺が同じ部屋(寝ているところは別だが)で手を繋ぎながら寝ているのを見て、発狂した。とか、それを竜也が言いふらしたせいで、童貞卒業とか、最低のクズ野郎とか呼ばれたとか‥‥‥‥本当にいろいろとあったんだよ‥‥俺の心の耐久値は、もうZEROですよ‥‥
まあ、そんなこんなあって、今、俺達は食堂のようなところで、朝食を頂いたのだが‥‥‥‥
「‥‥‥‥これ、どう見ても、ポテチだよな?」
「‥‥‥‥味もポテチだな‥‥」
そう、何故か朝食はポテチだった。なんでも、初代勇者が毎日、朝にこれを食べていたことから、俺達にも、同じようなものを出したらしい。
‥‥‥‥痛シャツの時も思ったんだが、初代勇者って、引きこもりのオタクか、ニートじゃね?毎朝異世界でポテチとか。意味がわからん。
「それでは、説明を始めます。質問のある方はてをあけ」
メイド長のファルさんが話し始めた。
「まず、ステータスについてですが‥‥現在、他人のステータスを映し出したり、調べたりする類の魔道具、方法は見つかっておりません。」
竜也が手を挙げて、発言する。
「異世界ものだと、[鑑定]スキルみたいなのがあるんじゃないんですか?」
もっともだ。俺も、ラノベやネット小説を読んでいたことがあるが、[鑑定]は、テンプレ中のテンプレだよな。
「‥‥[鑑定]スキルはあります。しかし、それはモノ限定で発動できるスキルのため、人のステータスを見ることは出来ないのですよ。」
へぇ‥‥モノ限定ねぇ‥‥残念だなぁ‥‥鑑定って、便利そうだったのにな‥‥
「さて、次です。この城での決まり事に関してです。この城の地下には、迷宮、つまり、ダンジョンがあります。そのダンジョンなのですが、少し特殊なダンジョンでして‥‥」
ファルさんは一息置いてから、続ける。
「‥‥定期的に魔物を排除しないと、迷宮内で、魔物がどんどん生み出され、迷宮の中が魔物でいっぱいになる時に、迷宮が崩落する、との事なのです。」
ほうほう‥‥つまり、俺らにそいつらを倒せと。
「なので、勇者様のレベル上げも兼ねて、定期的に迷宮に入っていただきます。さらに、街の近辺でも、魔物は生息しています。なので、そちらの方も、随時、行って頂きます。」
「はいはーい。しつもーん」
手を挙げたのは、クラスメイトのひとり、青葉さんだ。
「つまり、ウチらのレベル上げついでに、魔物を討伐。そこまではいいねんけど、ウチらにレベル以外の利益ってあるん?」
「はい。皆様は、ご覧になられたと思いますが、スキルにも、レベルという概念がございます。それらは、戦いの中で使っていったりする事で、レベルが上がり、ある程度までレベルが上がれば、上位のスキルになります。そして、倒した魔物についても、こちらで買い取らさていただきますので、報酬もしっかりとしたものがご用意できます。」
「ふぅん‥‥ならええわ。あんがとさん。」
青葉さんは、そう言って、まだ挙げたままだった手を下ろした。
‥‥そう言えば、俺、結局ステータス確認してないじゃん。‥‥今確認するか。
俺は、『ステータス』と念じる。そこに出てきたものは‥‥
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カズキ・クマクラ
Lv.1
1stjob:勇者
2ndjob:魔王
HP1500/1500
MP900/2100
SP300/300
魔法
[五属性魔法Lv.1]
[光魔法Lv.1]
[闇魔法Lv.1]
スキル
[聖剣顕現Lv.0]
[魔剣顕現Lv.0]
攻撃スキル
無し
聖剣-%-(-;は、使用者のレベル不足の為、顕現できません。
魔剣_-%;d-は、使用者のレベレ不足の為、顕現できません。
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へぇー勇者と魔王かぁー。俺ってチートじゃね?‥‥っていうか、MP減ってるよ。多分、これは、精神力みたいなのを表してるのかな?朝に、結構ダメージ入ったからな‥‥めっちゃ減ってるよ‥‥‥‥
へ?魔王?魔王ってあれだよね?俺達が倒そうとしてる奴だよね?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥はぁぁぁああああああああああ!?
幸いにも、俺の心の叫びは、口に出ることは無かった。
そうして、俺は、とんでもない事実に気づいたのだった。
やばいよ!どうしよ!
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