異世界召喚編(4)
「こちらです。勇者様方。」
先程とは、態度が違う様子で対応してくる、バルム。
何でも、
「いきなり王宮に、怪しい集団が出現したら、誰でも警戒するでしょう。」
との事だった。
「全く、その通りですね。」
と答えるのは、一樹だ。
玉座の間、という所に行くまでの間、バルムとは、すっかり打ち解けていた一樹であった。
「‥‥‥‥‥」
ほかのクラスメイトは、竜也も含めて、みんな黙ってしまっていた。
先程の竜也の件で、クラスメイトは、バルムに恐怖の感情を抱いてしまったらしい。
一樹は、バルムに竜也の事を話した時に、ある程度はバルムの人間性という物を理解していたので、そんな事にはなっていないのだが。
「着いたぞ。ここが玉座の間だ。」
そう言って、指し示すのは、仰々しいオーラがにじみ出ている、いかにも王がいそうな扉だった。
「‥‥勇者様方。落ち着いて聞いて欲しい。」
『?』
クラスメイトの大半が首をかしげる。
それもそのはず、なぜなら、バルムの顔は、とても真剣で、とても重々しく見えたのだから。
「‥‥なぜだか知らんが、今まで来た勇者は、皆、王の姿を笑うらしい。王が着ているのは、大大王家に伝わる、初代勇者様に貰ったものらしい。貴方方が笑うかどうかは分からないが、出来るだけ、笑わないでいただきたい。王が不機嫌になってしまわれるからな。」
(‥‥初代勇者?今まで来た勇者?つまり、俺達が最初じゃなかったって訳か。なるほど、それならこの扱いも納得だ。)
一樹はそう判断する。
「‥‥それでは、開けるぞ。」
そう言って、バルムは、扉を開けた。
そこに広がっていた光景はーーー
『ブフッ!』
「ようこそ。勇者殿。私が国王だ。‥‥なぜ笑っておるのかな?」
ーーー痛シャツを着た、国王と思しき人物だった。
今回はかなり短めに書いたつもりです。次回が長くなるので‥‥
そう言えば、皆さんはたこ焼き食べますか?
私は、関西出身なので、自分で作って食べることが多いのですが、関東の人たちは自分では作らないらしいですね。
本当かどうかわからないですが。