07
今回は短いです。
翌日。
早速、行動だ!と勢い込んだはいいものの、なかなかうまくいかないのが現実だった。
あぁ、今日のかばんはなんて重いんだろう・・・。
間の悪いことに、あらゆる教科から課題が出されてしまった。まるで妨害するかのようにいつもの3倍は出た。さすがのA組のみんなもちょっと顔色が悪い。本当に偶然とかが重なっていつもは課題のない授業がきりがいいからとかで出されたりして、さらに私は次の授業で当てる予告もされて、今日は空き時間すべてを勉強に注がなくてはいけなくなった。
その間にももちろんヤツは来るのだが、いや、正確には来ようとするのだが、今日はヤバ気だと、この課題地獄の流れを読んだA組は一致団結。休み時間に邪魔が来ないように教室の扉は固く閉ざされた。ヤツはもちろん来て、開けようとした。だが、扉は開かないように小細工されているので、ガタガタと音を鳴らしただけで開きはしなかった。
数人クスクス笑っている。いやぁ、本当に嫌われているね。我がクラス攻略対象のメガネ、春日弦に至っては眉間に皺を寄せ、舌打ちまでする始末。
昼休みだってもちろんみんなで勉強会状態で、いつもはこの時間は他クラスの友人と過ごす子もメールで断りを入れて一緒に缶詰した。
なんだかんだで仲良いなぁ、うちのクラス。
まぁ、それだけしても課題は片付けきらなかったので放課後も早々に家に帰って課題をしなければいけない。
そう、このかばんには課題、課題を解くために必要な資料などが入っているのだ。物理的にも精神的にも重かった。
帰ってからお姉さまや獅童先輩から進み具合を尋ねるメールが来たが、今日は無理だったと返しておいた。
ふむ、これは計画を練り直さねばなるまい。
今回がたまたまとはいえ、それでも普段から割と忙しいのがAだ。
課題の出し忘れなんて以ての外だし、予習復習は毎日しっかりこなさねばならない。学校でだってうろうろするような余裕は基本ない。
ちょっと変更してほしい旨を次に会った時に伝えておこう。
そんなこともあったりして、幾度か計画を練り直しながら、この一年で作戦を速やかに実行し、着実に舞台を整えて行ったのだった。
そうして、いよいよゲームの始まりが訪れた。