恋のカンニング禁止令
ローズとロイは順調に距離を縮めていた。
お互いマジバ頼りの会話であったが、マジバがなければままならないのだ。
そこは見て見ぬふりをして親交を深めていく…
「えー、明日から前期の期末テストがはじまります。知っている人もいるかと思いますが、テスト期間中はイマジナリーマジックバンド等の情報通信機器の使用は出来ません。」
朝のショートホームルームの最後に担任が発した言葉に、クラス中からブーイングが起きた。
「マジで!?先生そりゃないよ!」
「テスト中は使わないから!俺、スケジュールとか全部マジバ頼りなんですよ!」
「マメタもつかえないのー?」
など口々に止まらない。
ちなみにマメタとはマジックメールタブレットの略で、手の平サイズのタブレットで遠くの人とも通信できる魔道具だ。
マジバと人気を二分する超人気魔道具である。
「静かにー。別に24時間禁止なわけじゃないぞ!テスト期間中は学園内に通信妨害の結界を張るだけだ。じゃないとカンニングするやつがいるからな」
「学校にいる間だけ?それならまぁ…」
「ウチ、マメタ依存だからないと無理〜」
だが、カンニング防止の観点からいうと当たり前の対策だ。
生徒たちは渋々納得して1時間目の授業の準備に入った。
(ヤバいヤバいヤバいヤバい!マジバ聞いてた?明日から学園でマジバと話せないよ!)
『問題ありませんよ、ローズ。ローズは最近メグという友人が出来ました。私が不在の間もメグがいるなら孤独ではありません』
(うん、そうだよね…!じゃなくて!ロイ君とのこと!マジバいなくちゃ、何話していいか分かんない!)
『ロイ・ダグラスとの会話も今まで通りの話題で問題ありません。天気の話題、課題の話題、好きなランチの話題。ロイ・ダグラスはその3点の話題しか提示しません。よって、その3点に絞り話題を広げれば私が不在の間も困ることはありません』
(確かに…毎日同じ話してるかも?じゃあ、大丈夫…かな?)
『大丈夫です、ローズ。自信を持ってください』
(ヤバいヤバいヤバいヤバい!マジバ今の聞いてた!?マジバいないと、僕ローズさんとどんな話していいか分かんないよ!)
『落ち着いてください、ロイ。ローズ・ウィステリアの好む会話のデータを集積します。ローズ・ウィステリアは、今日の天気、課題の話、ランチの話において興味を示す傾向が高いとの結果が出ました』
(確かに…そうかも?ってか、その話しかしてない気もしてきたような…?)
『明日以降、私が不在の間もその3点の話題で乗り切れる可能性は高いです』
(そうか…じゃあ…大丈夫…かな?)
『大丈夫です、ロイ。自信を持ってください』




