恋のサポーター達
(おはよう、マジバ)
『おはようございます、ローズ。今日は例の宣言はなしですか?』
今日は少しだけ、学園に行くのに気が重い。
別に世界は昨日と何一つ変わっていないのに。
(ロイ君と話す目標はやめにするよ。マジバ的には脈無しなんだもんね…)
『私はあくまで提示された事実と統計を照らし合わせた情報を伝えているだけです。ロイ・ダグラスの心の中を見たわけではないので、彼の感情を推し量ることは不可能です』
(じゃあ、どうしたらいいの?)
『ローズ、あなたはどうしたいですか?』
(私は…)
私は、ロイ君ともっと話がしたい。好きな食べ物とか、嫌いな授業とか。そういう何気ない日常を楽しく話して、彼の色んな事を知りたいって思う。
(私は…ロイ君が好き。彼の事をたくさん知りたいし、私の事も知って欲しい)
『わかりました、ローズ。私はあなたの恋愛をサポートします』
教室に入ると、メグが駆け寄って来た。
「ローズさん!急なんだけど、今日のランチ一緒に食べない?」
「ランチを…?」
「そう!サイラスとロイ君も一緒だからさ、女一人じゃ寂しいのよ。お願い!私を助けると思って、ね?」
「そう…なのね。うん、私でよければ」
「ヤッター!ありがとうローズさん!」
そう言って自分の席へ戻っていくメグを見送り私も席に向かう。
途中でロイ君の方を見ると、サイラス君とゴニョゴニョ楽しそうに話ていた。
(マジバ!急展開!今日のランチ、ロイ君と一緒に食べることになったの!)
『おめでとうございます、ローズ。彼から誘われたのですか?』
(クラスの女の子から!ロイ君と男友達と一緒に4人で食べようって!)
『データによると、グループ交際は恋愛成功率を上昇させる傾向にあるようです。ローズ、今日のランチを成功させ、明日以降への足がかりとしましょう』
(うん!)
早くお昼にならないかな〜とローズは授業中も上の空で過ごしたのだった。
「でね、その時サイラスがさぁ」
「その話マジで無理!ローズさんが俺の事誤解するからやめて!」
ランチの時間、私はお弁当持ちだったので(いつも通り図書室でボッチ飯するつもりだったし…)3人は私に合わせて購買でランチボックスを購入してくれた。
天気もいいのでそのまま中庭の一角に腰を下ろしてピクニックの様に円状になって食べている。
右隣にメグ、そして左隣に…ロイ君。
「ね?ありえないでしょ?」
そう言ってメグが私に話を振った。
「ん?確かに…そうかも?」
ロイ君を意識しすぎるあまり、話を聞いてなくて適当な返事をする。
「マジか~!違うんだよローズさん!あれは!」
「ちょっと!ローズにだけ良く見られようとしてんじゃないわよ!」
ローズ…さん付けがなくなった。メグのそんな小さな変化に少し感動。
(これは仲良しって呼んでもいいよね?)
『恋愛対象をロイからメグに変更しますか?』
(今のはマジバに言ってない)
『失礼しました。恋愛対象をロイのままでデータを更新します』
「あー!」
元気にマシンガントークを繰り広げていたメグが大声で叫ぶ。
「そうだ!先生に昼休みに来いって言われてたんだった!行くよ、サイラス!」
「え?俺呼ばれてないけど?」
「呼ばれてなくても行くのよ!ホラ立って!」
サイラス君の腕を引っ張り上げ「じゃあ2人はごゆっくり〜」と彼を引きずりながらメグ達は去っていった。
「………」
「………」
どうしよう!?なんか4人でいても、喋ってんのメグとサイラス君だけだな?と思ってたけど!
(何話していいかわかんないよ!マジバ!)
『一般的に異性との最初の会話では、現在の流行や趣味の話などで共通点を見つけると一気に親密度が増すと言われています。』
(了解!)
「「あの!」」
「あっ、ロイ君からどうぞ」
「いや、ローズさん先にどうぞ」
「いえいえ、ロイ君から…」
お互いに譲り合っていたが、コホンと改まった咳をして「では、お言葉に甘えて…」とロイ君がキリッとした表情で
「ご趣味は何ですか?」
と聞いてきた。
胸がトゥンクと高鳴る。
(それ、私も聞こうとしてたやつ!ロイ君と私は似た者同士なのかも!)
『おめでとうございます、ローズ。性質が似ている男女は恋愛に発展しやすいとのデータが確認できました。』
(そうなんだ…!)
未来への希望が開けた気がして、少し涙目になった。




