恋の図書室…デート?
【空調設備の不具合により、本日は図書室の利用は出来ません】
ローズとロイは図書室の扉に張り出された紙を見て固まっていた。
2人以外にも何人かドアの前にいたが、張り紙を読むとすぐその場を離れる。
「うーん、空いてないなら仕方ないよね」
と、ロイが困ったようにローズに話す。
このまま教室へ帰る…?
でも、もっとロイ君と一緒に話したいな。
どうしようか…
そう考えている時にローズに声がかかる。
「あっ、ローズさん!良かった!助けてほしいのよ!」
図書室のドアがガラリと開き、そこにいたのは図書室司書の先生だった。
よく一人でランチを食べに来るのを快く受け入れてくれた優しい先生だ。
「先生、どうしたんですか?」
両手にタオルやビニール袋をもつ先生を見てローズは尋ねる。
「空調が壊れちゃって!そこから水がポタポタ落ちてくるのよ〜!下にある本を移動させたり、濡れた場所を掃除したり…1人じゃ無理なの!助けてくれない?」
それは確かに大変そうだ、と思いローズが了承しようとした時
「え!?それは大変ですね!僕もお手伝いさせてください!」
とローズより先にロイが名乗り出た。
その後、ハッとしたようにローズを見て
「えっと…いい…かな?ローズさん。勝手に答えちゃったけど…」
と申し訳なさそうに言った。
困った人を助けるのに戸惑いはない。
そんなロイが好きだな、とローズはロイの新しい1面にまた惹かれた。
「もちろんだよ。一緒に手伝おう」
と答え、先生に道具を貰って本の移動を手伝う。
「ローズさんはこっちの本を移動させるのをお願い出来る?そこの…お名前は何かしら」
「ロイ・ダグラスです」
「そう、ロイ君。悪いけれど、貴方は本棚の上にビニールを被せてこれ以上本棚に水がかからないようにお願い出来る?」
先生の指示のもと、黙々と作業に集中する2人。
その結果、なんとか昼休み中に本を移動させ水たまりの片付けも一段落まで終わらせる事が出来た。
「ありがとう2人とも!放課後には修理の人が来てくれるからもう大丈夫よ!」
そう言いながら教室へ送り出してくれる先生を背に2人は歩き出した。
「濡れてた本もあったけど大丈夫かな?」
「うーん…シワシワが酷くなければ大丈夫だと思うけど、乾かすにもコツがあるみたいだし…」
「そうなんだ、詳しいね」
「前に買ったばかりの本を水たまりに落としたことがあってね、その時に…」
そんな雑談をしていると、あっと言う間に教室へ着いた。
それと同時に授業開始のチャイムが鳴り、2人は軽く手を振り合いそれぞれの席へつく。
思わぬトラブルで図書室デートは出来なかったけれど、ロイの新たな1面を見れてローズは若干興奮していた。
(本棚の上にビニールを被せる作業…腕まくりして見えた腕が思っていたより筋肉質で…良い!)
細身に見えて意外と筋肉質なのかもしれない。
ローズの萌え妄想は授業中尽きることはなかった。
あれ?今日は変に緊張せずに自然に話せたな。
と思い出したのは、その日の夜だった。




