恋の図書室デート
ドキドキドキドキ。
昼休みを目前に迎えてローズの胸の高鳴りは最高潮に達していた。
ランチを終えれば、ロイとふたりで図書室デートだ。
何をしよう?図書室だし本の話が1番自然かな?ロイ君はどんなジャンルが好きなんだろう?
マジバに頼り切りの時には浮かんでも来なかった色々な事が、ローズの中で溢れそうだ。
(そうだ。私、ロイ君といろんな話がしたいって思ってたんだ。ロイ君のこと知りたいし、私のことも知ってほしいって)
本当に自分はマジバに頼り過ぎて、大切な事を見失っていたとローズは反省した。
「ローズ!ランチ行こ!」
メグがそう声をかけてくる。
あの日からメグと共にランチをするのが当然の流れになり、そこに時々ロイやサイラスも混ざる。
つい最近まで一人で過ごしていたのが嘘のようだった。
「今日はロイとサイラスもいるからさ!また庭で食べようよ」
そう言われてドキンとする。
メグはウインクをしながら
「ランチから図書室デートへ自然に行く様に私たちがサポートするわよ」
と言った。
確かにランチを終えていきなり2人より、4人でランチを楽しみながらの方が緊張も解れて良いような気がする。
メグやサイラスに助けてもらえてよかったとローズは思った。
アハハハ!と明るい笑い声が辺りに響く。
ローズ達4人組の声だ。
「そろそろ食べ終わったし、解散しよっか!私とサイラスは職員室に呼ばれてるから!」
それじゃー!とメグは有無を言わせずサイラスを引っ張って去っていった。
残されたのはロイとローズ。
「……あっ、じゃあ図書室…行こうか…?」
そうロイに言われてローズも頷く。
2人でランチボックスを片付けて立ち上がると
「ローズさんは、図書室でいつもどんな本を読んでるの?」
とロイに聞かれ
「今はカリネキア国物語っていう冒険譚読んでて…」
とローズは答えた。
4人でランチを食べながら緊張も解れてたのか、ローズはすんなりと会話が出来たことに驚いていた。
ロイも「それ有名なやつだよね」など楽しげに答えているように見える。
ローズは話しながら内心ホッとしていた。
以前は2人きりで話すのは、とても難易度が高い気がしていた。
どんな話をすればロイは興味を引くだろう、楽しんでくれるだろう、と思ってどうすればいいか分からなかったから。
しかし今は、そんな難しく考えなくても良かったんだと思い直した。
だってロイは、ローズの話をニコニコしながら聞いているし、楽しそうに返答したり、ローズに質問したりしてくる。
ローズもロイに
「ロイ君は普段はどんなの読むの?」
と聞くと、ロイは気まずそうに
「実は、あんまり読まないんだよね…だから、ローズさんのオススメ教えて。読んでみるよ」
と答えた。
ロイも本が好きだと思って図書室に誘ったので、その返答は予想外だったが、ローズは何故が胸が温かくなった。
それはロイはあまり本を読まないのに、ローズの誘いに乗ってくれたと言うことだからだ。
そして、ローズに合わせて本に興味を示している。
ローズの興味のある事に、合わせてくれている。
その事実が胸を熱くさせたのだ。
何が正解か。何が失敗か。
そんな事心配しなくて良かったのだ。
マジバ込みではあったが、ずっと毎日ロイと話していたのに、どうして気づかなかったのか。
ロイはとっても優しいって、ずっと思ってた。
だから、ローズが少し変な事を言ったって嫌ったりしないって、少し考えればわかるのに。
だから、ちゃんと自分の気持を自分の言葉で伝えたって大丈夫だ。
今更ながらにローズはそう気付いた。




