恋のキューピット
私の話を聞いたメグは、興奮した様に
「マジ!?だからか!納得!」
と妙に納得の表情で頷いた。
「え…?もしかして変だった?」
マジバと脳内会議しながら会話をしていたのだ。
第三者が見れば変だったのかもしれない、と今更ながらに思い至った。
「いやいや、違うくて!いや、違いはしない…のか?とにかく納得!」
「そう、納得してくれたなら…うん。良かった…」
何に納得したのかは分からなかったけど、メグはマジバと私の話を受け入れてくれた。
「ちなみになんだけど…これサイラスにもしていい話?嫌なら黙っとくよ!でも、サイラスってチャラいけどさ、秘密は守るヤツだから。ロイには絶対漏らさないって思ってて」
男の子に好きな人バレるの恥ずかしいな…とローズは一瞬思った。
けれど、サイラスは既にローズにとって大切な友人の一人だ。
メグにだけ話してサイラスには内緒、というのはイヤだなと思った。
それに、メグが言うようにサイラスはロイに黙ってて欲しいと言えば必ず秘密にしてくれるだろう。
「うん、もちろんだよ」
とローズは答えた。
「マジ!?だからか!納得!」
サイラス君はメグと同じリアクションで、うんうんと頷いた。
横でメグも「納得だよねー」と再び頷く。
「そんなに…?」
2人にそんなに納得されるぐらい私の会話には違和感があったのだろうか…ロイ君も「なんか変だな、妙に会話の間が空くな」って思ってたのかも。
あわあわと慌てだした私を見て、メグがフォローしてくれる。
「違う違う!マジバ使ってた時は全然違和感なかったよ!変だなーって思ったのはテスト期間中!」
「そうそう!それまでは、2人仲良くなって何よりって見守ってたくらいだぜ!」
テスト期間中…マジバがなくて、ひたすらに天気と課題とランチの話を繰り返していたアレ…?
その話を2人にすると、2人ともしばらく腹を抱えて爆笑していた。
「ちょっ…ロイのやつポンコツすぎんだろ…!」
「ローズも毎回ちゃんと答えてたのね…!可愛すぎる!ウチの子、マジ天使!」
「ひどいよ、2人とも!私頑張ってたんだから!」
そう反論しながら、私も自然と笑いが込み上げてきた。
そうしてひとしきり3人で笑い合った後、ポツリと呟いた。
「出来れば2人には…ロイ君とのこと相談にのって欲しいし…応援もして欲しいな」
2人は顔を見合わせてニヤリと笑い頷く。
「当たり前じゃない」
「恋のキューピットは任せとけ!…というかロイは?遅くね?もうすぐ先生来るけど…」
ロイ君はその日、朝のショートホームルームが終わる直前に教室に駆け込んできた。
「すいません…最近マジバに起こしてもらってたから…つい寝坊を…」
「マジバに頼りすぎだ、馬鹿者」と先生にお叱りを受けて席に向かうロイ君と目が合った。
やっちゃった…というへニャリとした彼の笑顔を見て、この人と話したいと思った。
ちゃんと、自分の言葉で。




