恋とマジバと友情と
次の日ローズが学園へ行くと、そこはマザー不具合の話題で溢れていた。
「俺、時間割覚えるのマジバに任せてたからさぁ…今日の授業準備わからなくて全教科の教科書持ってきた。カバン重い…」
「マジバで目覚ましアラーム設定してたから遅刻しかけた!」
「ってか、マジバないと推し活困るんだけど。推しの情報に飢えてる…」
「コレを機にマメタに乗り換えるかぁ」
「マメタ高いじゃん!セレブめ!」
使い方は人それぞれだけど、みんなマジバが無いことに困惑している。
ローズはその中の誰よりもマジバに依存している気がしてきた。
「おはーローズ!」
「あっメグ、おはよー」
「どうしたー?暗い顔して!」
メグはいつもコミュニケーションに迷いがない。
根の性質がフレンドリーなのだろう。
「ねぇ、メグ。メグはマジバなくて困らない?」
なんとなくメグに聞いてみた。
メグなら、私は困らないなぁって言う気がして。
「マジバないと困るよ〜。私マジバにダイエット指導してもらってるから!」
意外な答えに目を丸くする。
「え?メグ細いし必要ないじゃん」
ローズはメグの細い手足を指差した。
「正確にはダイエットじゃないかな?ボディメイク?要するにメリハリセクシーボディになりたいの。細いだけじゃ、色気ないじゃん?」
「色気…」
「だから、今は脂肪も筋肉も付けるために食事のアドバイスとか運動のアドバイスとか。マジバ、超優秀トレーナー!いつ使えるようになるんだろうね。まぁでも、使えない間はトレーニング休憩?みたいな?息抜きのチャンスにしちゃおっかな!」
そんな使い方もあるんだ…
ローズは目からウロコが落ちた気分だった。
マジバに相談してアドバイスを貰う。
ローズと使い方は同じだったのに、全然違う気がした。
メグは自分を変えるために、前向きにマジバに相談している。
それに対して私は…
(私はマジバに相談してるつもりで…全てマジバに頼ってただけだ…)
薄々ローズも気づいていた。
ロイとの会話で、自分で考えて選んだ言葉はあっただろうか?
マジバの言う通りに、話していたんじゃない?
「ローズはマジバなくて困ってるの?」
メグの言葉にハッと意識を戻した。
そうだ、今はメグと話していたんだ。
こうやって思考の波に飲まれていた時も、今まではマジバが現実に引き戻していた事にこの時気付いた。
「凄く…、困ってるの…」
「そっかー」
メグはそれ以上、何も聞いてこなかった。
明るくてお喋りなメグ。
だけど、私が触れて欲しくない気持ちを察すると深掘りはしてこない。
だからこそ、こんなダメな自分の話を聞いてもらいたいと思った。
「あのね、メグ…」
私の話を聞いて、メグはどう思うかな。
ダメな私を、笑うかな。
恋の相談なら、私にすればいいのに!って
笑って受け入れてほしい。




