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異能革命 ~大日本神秘帝国奇譚~  作者: N-マイト
第零號巻#世界の有り様
1/3

Prologue; 《大日本神秘帝国》「世界大戦」

新しく書くので初投稿です

2045年8月15日。


これは多くの日本人にとって、太平洋戦争終結からの百周年であり、世界平和を願う日。

そのはずだった。


現代ではこの日は。


全世界を巻き込んだ大戦争が始まった日として、あらゆる国に記されている。


世界の衝突。

学者の間でそう呼ばれる現象が突如発生した。


簡単に言えば、()()()()()()()()()()()()()()()


世界中が大混乱に陥る中、”空を飛ぶ”、”耳の長い”人間が接触を図ってくる。

曰く。


「我々はシートウォード”魔法帝国”。貴殿らの世界を侵略する」


魔法。


その日までは、単なるおとぎ話として語られていたモノ。

しかし、その力は、異世界からの侵略者たちによって、世界中に知らしめられる。


始めに攻撃を受けたのはブラジルだった。哀れにも大西洋を境に生まれた大陸...もう一つの世界から、最も近い場に会ったが故に。


銃は何十発と叩き込もうが死なず、爆弾を凍らせ、砲撃を障壁(バリア)で弾き進撃する彼ら。

多少なりとも対処は出来る。しかし反撃は出来ぬまま、ブラジル、そしてそれに続き南アメリカ諸国は飲み込まれた。

全世界への宣戦布告と、一つの国家が為すすべなく併合された。

あらゆる国家は蜂起する。


だが、勝つことは叶わなかった。


結局は醜い争いを国同士でしていた、と言うのが敗北の決定的な理由であろう。

米中露。彼らはこの期に及んでも連携を取らず、それぞれで陣営を率いて戦った。それを狙った分断に、彼らは愚かしくも見事に嵌まる。破れかぶれに放たれた核兵器は、始めこそ通ったものの対策を撃たれ。


我らが地球世界が崩壊するかと思われたとき。


(ミカド)”を名乗る者が声明を発表した。


日本(ひのもと)にこそ、奴らと戦う用意がある」


鼻で笑ったアメリカ大統領。嫌悪感を示した中国国家主席。再度共産化に勤しみ無視したロシア書記長。


彼らはの顔は直ぐに驚愕に染まる。


これまで、一方的であった戦場。

敗戦へと向かうだけだった戦況。


一変した。


巻き上がる炎、飛散する氷。

地震、雷、竜巻…。


四肢が伸びる者も居れば、触れた箇所をあたかも豆腐を握り潰すかの如く削り取る者、敵の眼前にミサイルを召喚する者…。


"魔法"の様でいて、"魔法"を見た者全てが「違う」と述べたモノ。


それを"(ミカド)"は"異能"と語る。

異界より現れし"妖魔"の操る"魔法"では無い、"人類"に許されし神秘であると。


たったの一夜で戦況を塗り替えた彼は、"大日本神秘帝国"の樹立と、"大東亜共栄圏"の再興を宣言する。


その宣言は中国・韓国の大きな反発、そして米国の苛立ちを買ったが、南アメリカを併合されたことにより最前線に立たされていた東南アジア諸国、オセアニア諸国は一も二もなく参加を決める。特にオセアニアの参加は米国の不興を買ったが、全ての国家は押し黙る他なかった。


理解していたからだ。

"大日本神秘帝国無くして勝利なし"

という事実を。


帝…その呼称、元日本国の国民の反発の異様なまでの少なさから、天皇家の一人であることがその時既に確実視されていた彼は、さらにこう語る。


「朕の庇護下に在る国々には、我が帝国国民と同様の"神秘"を授ける」


と。


如何なる異能…いや権能故か。


その言葉は実行に移される。


後に"天常"の噴火と呼ばれる2046年1月1日に起きた富士山の噴火。

もうもうと立ち上る噴煙は、何故だかただの数分にて、大東亜共栄圏へと広がった。


大東亜共栄圏に参加していた国々にて国民が"異能"に目覚めた、と既に機能を喪失しつつあった国際連合に報告があったのはその翌日の事。


人々は悟る。


"帝"の名に嘘偽り無し。"帝"こそが現代の現人神であると。


他陣営からすら…特に魔法帝国の脅威に晒されていた英国、西国、葡国、南ア国を初めとした国々も大東亜共栄圏へと忠を誓うに至る。


直ぐ様"帝"は大東亜共栄圏を大天下共栄圏と改める。


………西部諸国の参加が"帝"の予想の外にあったかどうかは、未だ議論の対象である。


そして、開戦から1年と2ヶ月余りの年月が経過した、天常2(2046)年10月29日。遂にシートウォード魔法帝国は国土の1割を喪失し戦意を挫かれるに至る。


帝都東京にて締結され【日弩休戦条約】と銘打たれた平和条約には、以下の文言が記された。


一、大日本神秘帝国(以下日)及び大天下共栄圏参加国とシークウォード魔法帝国(以下弩)間のあらゆる戦闘行為を禁ずる。


一、日国が占領した領土の半分を弩国へ変換する。


一、弩国は日国へと賠償として魔法技術を一部提供する。


一、日弩両国は国境への軍備を許可する。


一、弩国な大天下共栄圏へと賠償として一兆二千億円を提供する。


この文書は事実上の降伏文書として認識され、実際に大天下共栄圏に参加していない国家への侵略行為を含む軍事行動を弩国は取りやめた。

しかし、弩国の出現と侵略は、人類に確かに暗く影を落とした。


弩国皇帝とは別の、魔王と呼ばれる者の暗躍。

人類史における奴隷制の復活。

国土の2割を喪失したままとなった米国の失落。

その他多くを代償に、それでも人類は安寧を取り戻す。



こうして"帝"…神月(シンゲツ)天皇の名のもとに、世界平和(パクス・ジャポニカ)が成立した。


天常22(2066)年。"世界大戦"集結から20年。

今や大日本神秘帝国は、世界最大の強国として、二つの世界に名を轟かせている。



(大壱 琉詺、「平和記念【大日本神秘帝国】の歴史第1巻」天常22年、10頁より抜粋)

ダイイチルビー著。

おふざけなので別に著者の名前はストーリーにも馬にも関係ありません。

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