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星眼の魔女  作者: しろ
305/508

番外編:魔法訓練装置、爆誕!のち爆発!


──翌朝。

魔界の丘の庭に、**謎のドーム状機械(司郎製)**が組み上げられていた。


その名も──

「魔導行使感応式・試作型訓練機構 第一号(愛称:ピカマルくん)」


「なんか見た目、スイカに足が生えたみたい……」


あやのがぽつりと呟く。


「中に入って、精神を集中させると、あたしが設計した“模擬魔法構文”が反応するの。意志の出力に応じて、段階的に魔法が出るわ。最初は“光る”、次は“浮く”、最後は“飛ぶ”」


「おお~! すごい! ……浮く、飛ぶ、って、それ大丈夫?」


「……そこが問題なのよ」


司郎がぽつりと呟いた。


「問題?」


「たまに、“飛ぶ”じゃなくて、“吹き飛ぶ”になるのよね……使用者が」


「……」


「使う?」


「使います!!」


「聞けよ」


──5分後。


ピカマルくんの内部。

あやのが座り、息を整えて、精神を集中。


「私は……魔法を……使いたい……っ!」


【ピカマルくん、感応】


ピコン!

“初期魔力、感知”


ピコピコピコピコピコ……


「……おぉ、反応してる……!」


【光る】──成功。


ピカァッ


「おおお! 床が光った!」


【浮く】──成功!


ふわっ……


「わ、わ、浮いてる……!」


【飛ぶ】──成功!?


いや。


──吹き飛ぶ!!!!


ドゴオォォォォン!!


丘の上から、あやのがピカマルくんごと美しい放物線を描いて飛んでいった。


「ああああああああ!!!」


司郎「ほら言ったじゃない」


梶原「はい、クッション展開!」


幸「わんっ!(無言の空中三段跳びキャッチ)」


──無事、回収されました。





番外編:魔法の師匠を探せ!



翌日。

あやのは、魔法を本格的に学ぶべく、「正式な師匠探し」を始める。


「でも、誰に教わればいいんだろう……」


魔界の議会を通して紹介された師候補一覧には──


その1:千年語る魔女・白峰ほうこ(伝説級)

「教える前にまず、千年分の魔界史を講義するわよ」

→ 脱落。


その2:爆発魔導師・火ノ宮どん(自称・魔法エンタメ業)

「まずはこの爆弾を五秒で解体するのよ☆」

→ 司郎によって物理的排除。


その3:元・魔法省お抱え講師・黒斗先生(実力派)

「一に集中、二に瞑想、三に、三年修行」

→ あやの「長すぎます!!」


その4:謎の老女・「そこの姉ちゃん、魔法? あげるよ」

→「たぶん詐欺師」と梶原に首根っこつかまれて通報。


その5:ヘイリー(※そもそも魔法使いではない)

「なんか私の歌聞いてたら魔法っぽい気分になるじゃん?」

→意外と近かったけど違った。




あやの、早くも挫折の気配。


「誰もいないじゃん……!」


「魔法の道ってのは、長いのよ……」


司郎が肩をすくめると、後ろから梶原が手を挙げた。


「ひとつ、方法がある」


「えっ? なに?」


「──俺が、習って、教える」


「なんでえええええええええ!?」


「なんでって……魔界鬼族として、一応基礎術式は全部使えるし、教本もある」


「え、そうなの!? ……って、えぇ~~!? 梶くんに教わるの~~!? 恥ずかしい~~~!!」


「爆発するよりマシだと思うが?」


「くっ、ぐぬぬ……じゃあ、梶くん先生、よろしくお願いします……!」


こうして、

**記録者あやのの魔法修行編「先生は夫!」**が、いよいよ始まるのであった。

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