第五話 隕石
僕たちは鉱山のダンジョンから出た
ただ、街までどれくらいかと世界の声に聞くと
[解、最寄りの街まで20日かかります]
と答えられた。
地上へ出てからは、ハクに僕の事情を説明していた
「ーーーっていう訳」
「そうだったのか。主様にお願いがあるのだ」
「どうしたの?」
「我のスキルを整理してほしいのだ」
「スキルの整理...」
「我は《頂へ上る者》の称号を持っていなのだ。だから我はいらないスキルやほとんど同じ効果のスキルがいっぱい持ってるから少なくしたいのだ」
「そういえばプレイヤーって何だろう」
[解、称号《頂へ上る者》は転生者や転移者が主に持つ称号。効果は取得経験値量の大幅アップ]
なるほどね。道理で、僕のレベルがガンガン上がるわけだ。スキルの整理か。
整理、整理、整理、、、、、、、、
「少し試してもいいか?」
「頼むのだ」
「《創薬:スキル整理》綺麗なオレンジ色だな。ハク、これを飲んでくれ」
「わかったのだ」
ゴクゴクと飲んでいく。
[告。個体名イオと個体名ハクの契約を確認。個体名ハクのスキルを混合進化させます]
「鑑定」
❄︎••┈┈┈┈••❄︎••┈┈┈┈••❄︎
【名前】ハク
【レベル】1796
【種族】神聖白竜[神獣]
【生命力】983900/983900
【魔力核】2709720/2709720
【スキル】《オーバーブースト》《神気操作[15]》
《神炎》《神聖化》《人化[S]》《魔気征服[5]》《守護結界[9]》《能力制限》《念力》
【固有スキル】《白炎》《神爪技》
【魔法】神聖魔法[5] 神聖天[5] 火炎魔法[5] 暴風魔法[5]
【称号】《守護神獣》《救われしもの》
【加護】戦神の加護 恋愛神の加護
❄︎••┈┈┈┈••❄︎••┈┈┈┈••❄︎
「すごい少なくなった」
「ありがとうなのだ」
「あ、加護に恋愛神の加護って言うのが増えてる」
「ふぇっ!?」
「ふぇ?」
ハクは時々変な声を出すな。大丈夫かな?
「いいこと思いついた!《形質変化》」
背中からドラゴンの羽が生えてきた。
「主様に羽が生えたのだ!」
「と、飛べない....」
「主様!魔力を通して、空気を押し出すように魔力を放出するとできるのだ!」
「こ、こうか?」
「違うのだ主様!こうなのだ」
そう言ってハクは背中(翼の根元の間)を触り魔力を動かした。
「っ!!〜〜〜〜っ!」
「主様?」
「はぁはぁ、なにあれ、、、、、なんかこう、ゾクゾクしたんだけど」
「あっ、、、、」
「でもコツを掴んだぞ!」
あ、やばい。出力ミスったー!!!
と思うのも束の間バッーンと空に射出された
あ、あっつ!!これ摩擦熱!?
「け、《形質変化》」
一旦羽を仕舞う。するとしばらく上昇して落下し始めた時に再度翼を展開してただいま滑空中
やっぱり人生何とかなるもんだね。あれ?今人じゃないからメタスラドラ生?メタドラ生?まいっか
にしても綺麗だな…
何とかしてハクを連れて来れないかな。まあ、ハクも来れるだろう。今はそれより翼の出し入れの簡易化をしなければ
「《プログラム付与》起動コード翼化、停止コード翼化解除。《プログラム完了》」
これでよし。
「翼化解除」
一気に落下して時間短縮〜
その頃ハクは空に射出されたイオを追いかけていた
「《オーバーブースト》」
必死に追いかけているが追いつく気配がない。
「主様.....」
ポツリと寂しげに呟き、虚空に消えていった。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
イオとハクはちゃんと合流し、そのまま空を飛んで街まで向かっていた。
「空を飛って思ってたより気持ちいね」
「主様、もう置いてかないでほしいのだ.....」
「ごめん。もう置いてかないよ。大丈夫、人生何とかなるようにできてるもんだから。それでも不安ならお姫様抱っこで運ぼうか?」
「えっ」
「あ、すまん。嫌だったよな」
「い、、、、、嫌、じゃない..........」
「え、いや、その.......」
き、気まずい
「お」
「お?」
「お姫様抱っこしてほしいのだっ!!」
そう言って顔を真っ赤にして言った
「お、おう」
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
気まずい雰囲気が流れる中でソレは突如に起こった
「「っ!」」
2人は突如現れたソレに喉を鳴らす。
何も無かったところに突如として出現したのだ。
そして一気に隕石が加速した。まるで誰かが加速させたかのように
「ハク、主様って呼ぶの禁止!ちょっと加速するから口閉じとけ。《魔力供給10》」
魔力供給を最大にして射出されたのなら調整すればいいだけの話。
「《魔力供給50》」
[告。スキル《制限》習得しました]
「ハク、あれを壊せるか?」
「できるけど地上へ被害が出るのだ...」
「そこは僕に任せろ!《飛剣》」
「わかったのだ。《念力》」
「飛剣技《乱剣壁》」
ハクの念力で砕かれた大きい破片を乱剣壁で粉々に切り刻んでいく。
=====
乱剣壁:飛剣を壁のように斬撃をする技
=====
「このままいくぞ」
「わかったのだ!」
「世界の声、この隕石の落下地点はどこ?」
[解、サグラニア王国北部にある国境都市です]
「!。これは意図的に起こされたものだ。今いる所の高度が高すぎて、遭遇したってとこか...」
[解、それが一番高いと思われます。国境都市まで残り3時間です。また、加速し続ける場合はもっと速く到着します]
「まじか、何とかなると思うか?」
「なるのだ。我とイ、イオとなら!」
「だな!この作業を繰り返ししてできる限り削るぞ!」
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
<冒険者ギルド 国境都市支部>
「た、大変だ!」
冒険者ギルドの扉がバーンと勢いよく開けられた。
「魔国の方からでけぇ隕石が落ちて来てる!!」
男は必死に訴えた。しかし、冒険者たちは信じなかった。
「おいおい、リッゾ〜。夢でも見てるんじゃねぇの?」
「「「はっはっは」」」
その時、街の鐘がなった。しかも連続でなり続ける。
鐘の音にはそれぞれ意味がある。
1回は時の音と言われ、3時、6時、9時、12時になるとなるようになっている。
2回は警告の音と言われ、街の中で危険なことが起きた時になる
そして連続は、スタンピードなどの街の危険な状況をあらわす鐘の音
「リッゾ、今の話は本当か?」
「ギルマス!本当だ!魔国の方からでけぇ隕石が降ってきてる!ただ見間違いかもしれないが誰かが隕石の近くで何かしてる!」
「わかった。野郎ども!行くぞ!」
「「「了解!」」」
現場では街を守る衛兵なども集まっていた。
「これはギルマス殿ではないか」
「これは騎士様」
「騎士様はよしてくれよギルマス殿。私でもアレは止められるかどうか...」
「リッゾ!隕石の周りに人影を見たと言っていたが見えるか?」
「見えます。ただ、、、、ただ、、、、、」
「どうした」
「あの人たちは隕石を削ってます!」
「削ってるのか。・・・。???」
「ギルマス殿、私の聞き間違いでは無いようだ」
「騎士様、風魔法で声をかけられるか?」
「なるほど、《風域拡声》」
「騎士様に任せる」
「隕石の近くにいる人!聞こえるか?私はサグラニア王国騎士団所属副騎士団長ペリナリア・レイカルである。街を守るのに協力を要請する!」
聞こえても答えることが出来ないのに、聞こえても敵かもしれないのに、でもペリナリアは感じていた。味方であると
「野郎ども!撃てぇ!」
「「「《ファイヤーボール》」」」
「「「《ウインドランス》」」」
「「「「《マジックアロー》」」」」
魔法が次々と放たれるが勢いが収まることない隕石
「上位血統魔法《獄炎槍》」
「「「おぉぉ!」」」
蒼い炎でできた槍が隕石を削った
だが泊まり気配は無い。士気が下がる直前、突如として隕石が真下に落下した
「何が起こった?」
酷い土煙の中に動く影が一つ
パキパキパキ、、、、、、、
「なんの音?」
「グルァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
「「「!!」」」
「まずい、全員退避ー!!」
土煙の中に紫の光が強くなっていく
「くっ、《ウインドウォール》」
ピシッ、ピシピシピシッ
「耐えられないっ」
「《守護結界》」
「なにこれ。結、界、、、?」
「副騎士団長よ、死人は出ていないのだ」
「誰?」
「降りるから怖がらないで欲しいのだ。」
「風がっ、、、っ!」
「我は、」
「守護神獣様!?」
「・・・・(デジャブ)」
「守護神獣様がなぜここに.....」
「我は旅をしている最中なのだ」
「旅、ですか。あ!それよりあの隕石が!」
「もう大丈夫なのだ。あとはイオに任せておけば」
「イオ?」
「飛剣技《極限の乱閃》」
「《形質変化》」
「しゅ、守護神獣様!お体が、、、、、、」
「我は人の姿になれるようになったのだ」
「ハク〜。案外何とかなっただろ!」
「確かにそうなのだ」
「守護神獣様、この人はどなたですか?」
「イオは我の主様で、我のパートナーなのだ」
するとペリナリアはギンッとイオを睨み言った
「それは本当なんだろうな」
「なんで嘘つく必要があるんだ。メリットよりデメリットの方が大きいけど」
「・・・。わかった、貴殿をペリナリア・レイカルの名において保証することを誓おう。」
「じゃ、僕はイオだ。よろしく」
「我はハク。よろしくなのだ」
「私はペリナリア・レイカル。よろしく頼む」