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第33話 決勝前

 降魔はその後保健室に運ばれてたが、すぐに目を覚まし、何事もなかったかのように戻って行った。

 そしてその後の準決勝は、相手が召喚獣に頼り切りだったため、術者を速攻で倒して決勝進出となった。


(決勝に進出出来たのはいいが、よくあれで準決勝まで行けたよな彼奴。確かに召喚獣は最上級だったが、逆に言えばそれだけだ。それなら召喚獣など無視して術者を叩けばいいだけ。まぁ俺としては楽でありがたかった)


 降魔はそんなことを思いながらVIPルームに向かう。

 決勝は夕方6時半かららしく、今は3時。

 3時間ほど空いた降魔は、双葉を学園の出店に一緒に回らないかと誘う予定だ。


 それから少しして降魔が扉の前に着き、扉を開くと……


「あっ、降魔!」


 総司の襟元を掴んでいる双葉がいた。

 そしてその横で素知らぬふりをして紅茶を飲む小百合。

 

 降魔はそんなカオスな光景を目から追い出すためゆっくりと扉を閉めようとするが―――


「ちょっと、なんで閉めるのよ!」


 双葉に扉を押さえられて閉めることは叶わなかった。

 降魔がチッ……っと舌打ちをして不承不承ながら理由を聞くことにした。


「これは一体どう言った状況だ?」


 降魔がそう双葉に聞くと、双葉は弁明するかのように話し出した。


「えっとね、結論から言うと……パパが『一緒に出店回ろう』って言うから、私は降魔と回るって言ったらキレ出したの」

「…………ああ……」


 降魔はそれを聞いただけで納得してしまった。


(双葉の父の総司が一緒に回りたいと言うのは目に見えている。そして自惚かと思われる気がするが、双葉は俺を誘うだろう。友達というものを初めて持ったんだからな)


 それにキレたのかゴネたのか知らないが、総司さんが双葉に必死に食い下がったんだろうな……と降魔は考えた。

 

「それであまりにもウザかったから「グハッ!?」……ああなったの」

「……なぁ双葉……総司さんが血反吐を吐いたけど大丈夫か?」

「大丈夫よ降魔君っ! 日常的に嫉妬で吐いているからっ!!」


 突然横から口を出してきた小百合にジト目を送る双葉と、全員を若干引いた視線でみる降魔。

 そんな降魔の視線から逃れるようにして龍川一家はスッと目を逸した。

 そんな双葉たちに降魔は深いため息を吐くと、双葉に話しかける。


「なぁ双葉――」

「ん? な、何よ……」


 双葉は何を言われるのかと若干ビクビクしながら応えるが、その後の降魔の言葉にポカンとすることとなる。


「――こんな時に言うのも何だが……決勝までの間に俺と一緒に回らないか……出店」

「えっ……も、勿論よ!! 早く行きましょう!!」

「なぁっ!?」


 ポカンとした後直ぐにハイテンションになって降魔の腕を引いて出ようとする双葉とは別に、総司が素っ頓狂な声を上げた。


「双葉……俺とは!?」

「「五月蝿いわよ総司ぱぱ」」

「…………」


 何故か小百合にまで言われた総司はひどく落ち込んで椅子に腰を下ろした。

 その姿を見ながら降魔は双葉に腕を引かれてVIPルームを後にする。


「ねぇ降魔! 私始めにたこ焼き食べたいわ!!」


 キラキラした笑みを浮かべて声を弾ませながら言う双葉に、降魔はクスッと笑みを浮かべると、


「ああ、俺も丁度食べたかったんだ」


 双葉と共に出店へと歩いていった。

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