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マントと狐のお面

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頑張りま~す。


 ニャンニャンの教えてくれた場所に辿り着き、みんなで太陽草を摘んでいく。ジュリアたちが受けた依頼は五十本で銀貨二枚らしい。一瞬、結構貰えるとも思ったのだが、五十本もスキルなしで探すのはすごく大変だし、回復薬の値段を考えるとかなり安い気がする。そしてマルチナたちはというと普通の依頼は受けておらず、一本で銅貨二枚貰えるギルド依頼狙いなんだそうだ。ギルド依頼に至っては普通の依頼の半額なのか……どうやら薬草の採取はこういう初心者の冒険者が受ける事から、安く買い叩かれてしまっているようだ。


「ギルド依頼って報酬が安いんだね。普通の依頼の半分しかもらえないじゃん」


「えっ? そうなんですか?」


 ジュリアとルーナはその事実を受付の女性に聞き知っていたが、マルチナは知らなかったようだ。


「う~ん……受付にも当たりはずれがあるのかな……? まあ、計算をおぼえれば自分で判断できるようになるし、ニャンニャンに習えば直ぐ覚えられるよ!」


「は、はい! 頑張ります」


「みんなどのぐらい取れた? 同じ場所で取りすぎるのもあんまり良くないから、そろそろ別の場所に行こうか!」 


 こうして何度か移動を繰り返し、依頼達成に十分な量の太陽草を集め終わり、ニャンニャンとマヤの居る場所に戻る事にした。





 ♦ ♦ ♦ ♦





「ただいま! ニャンニャン! マヤはどんな感じ?」


「あっ! ケイさま! とりあえず魔力操作を使って腕輪を発動させるのと、魔力を補充する事は出来るようになったのです。でも、その魔力自体が少なすぎて、今はこんな感じなのです」


 そう言ってニャンニャンがしゃがみ込んでいるマヤに視線を向けた。


「でも、出来るようになっただけ凄いじゃん! 毎日、使ってれば魔力も増えるし、問題なさそうだね」


「ごめんなさい。ごめんなさい。直ぐに魔力が無くなってごめんなさい!」


 急にマヤが頭を抱えて謝り始める。


「えっ?」


「大丈夫なのです。魔力量の低下によって、精神が不安定になっているだけなのです。直ぐ元に戻るのです」


 確かMPが減ると正気を失うって、御使い様も言っていた気がする。でも、この状態で自己回復を待つのも可哀想なので、魔力回復のポーションをあげる事にする。


「マヤ、これを飲んでみて! 元気になるよ!」


「いえ! 私なんかがこんな高価な物! 勿体ないです。大丈夫です。ごめんなさい」


「いいから、さっさと飲むのです!」


「は、はい!」


 ニャンニャンの一喝でマヤは肩をビクッとさせた後、言われるがままにポーションを一気に飲み干した。


「わたし……」


 少し恥ずかしそうにするマヤの前に立ち、ニャンニャンが話し始める。


「誰もが魔力量が減ると、自信を失ったり不安な気持ちになるのです。その原因を理解し混乱することなく、魔力回復に努めるのが魔術師には重要なのです」


 知らなかったオレも一緒に頷き、感心する。やはり魔法関連の指導はニャンニャンに全て任せるのが良さそうだ。


「うらやましいと思ってたけど、魔法使いも大変なんだね」


「ジュリアたちも覚えるんだよ」 


「「「えっ!」」」


「わたし、魔法使えないよ!」


「う~ん……何て言えばいいかな……属性魔法は無理だとしても、魔法は誰でも使えるんだよね。それについては、三人にも明日からニャンニャンに教えて貰うから頑張ってね」


「私たちも魔法使えるようになるの?」


「やった~!」「凄いね!」


 みんなが喜ぶ姿をみながらも、少し不安はある。無属性魔法の事が知れ渡ると世の中は確実に便利になるものの、悪用されればその被害も甚大になる。広めるにはそれなりの覚悟と準備が必要になるだろう。そう考えるとやはり秘密にしていくのが現時点では一番良いだろう。はたしてこの子たちが本当に秘密を守れるのだろうか……。


「ここで話しているのもなんだから、とりあえず街に戻ろう! 納品して二人の宿をとって今日は解散かな」


「えっ! ケイさん! 荷物を運ぶのはいいんですか?」


「ああ! そうだった! それもお願いしようかな。相手が貴族だから、みんなももう少し綺麗にしようか?」


「えっ? どうすれば……」


 さっき浄化をしたのでそこまで汚れていないが、みんな手入れをしたこともないであろう髪型をしていた。乙女心に傷を負わせないように言葉を選びながら話していく。


「みんなが嫌じゃなければ髪を少し切って、綺麗にセットしようと思うんだけど」


 少しは嫌がるかと思ったのだが、みんなは意外にも乗り気のようだ。素早く道具を作り、即席の青空美容院の開店である。一人に鏡を持ってもらい、他の子たちはお互いの髪を櫛でとかすように言っておく。


「お客様、本日はどのようなヘアースタイルにいたしましょうか?」


「えっ! えっ?」


「あはは、ルーナの希望がないなら、オレの好きに切っちゃうけどいいの?」


「は、はい! お願いします」


 無難に毛先を揃えて軽くすく程度にして、後は適当に編み込んでいく。


「わ~凄い! ルーナさん! お姫様みた~い!」


「ケイはなんでそんな事も出来るの?」


「昔、こういう仕事につこうと思って、友達と練習してたからかな。あっ! 妹でも練習したな! 結局、大学に行く事になったけど……」


「へ~っ!」


 マルチナだけは短くして欲しいという事で、ショートカットにして全員の髪を切り終えた。その後はしばらく鏡の取り合いになってしまい、結局、全員分の手鏡を作ってあげることにした。


「みんなどう? 気に入ってくれた?」


「うん! 凄くかわいい!」


「確かにみんなかわいいけど……」


 みんなが頬を染める中、ジュリアが噛みついてくる。


「けど、何よ! ケイ! 言ってみなさい!」


「いや! その分、絡まれる回数が増えるかもと思ってさ……恰好や顔は隠す方がいいかもね」


「折角、綺麗にしたのに?」


「絡まれるよりはいいんじゃないかな? マントとお面とかはどうかな?」


「逆に目立つのではないです?」


「う~ん! みんなを小綺麗にしすぎたな! 子供だけだし変態とか人攫いが寄って来そう。もう少し汚くする?」


「何でよ!」


「とりあえず、マントとお面を作ってみるから待ってて」


 汚れて見える茶色いフード付きのマントと、能楽や神楽に用いられる白狐の面を普通と半面の物を用意する。


「こんなもんでどうかな? つけてみて! マントは汚れて見えるけど新品だし、お面は食事の時は半面のものをする感じで……」


「あの~ケイさま! このかばんだとマントが……」


 マヤはマントの上からリュックを担ごうとしてるが無理なようだ。


「あれ? マントをしたままだと、リュックってどうするんだ? 中にリュックだと背中が膨らんで恰好悪いし……」


「お面も何でこんなに怖いのよ?」


 結局、リュックはショルダーバックにかえ、狐の面は若干、可愛らしい顔へと変える事となった。 




〇お金

銅貨  10円 →1リーン

大銅貨 100円

銀貨  1000円

大銀貨 10000円

金貨  100000円

大金貨 1000000円

白金貨 10000000円

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