近接パーティーの誕生
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頑張りま~す。
やっぱり、ケイさまは凄いのです。最高位の神官しか使えないとされているハイヒールを使えるだけではなく、さらにはもう一つの魔法と複数付与するなんて……。それにレジェンダリーの魔導具なんてダンジョンの深層部でも極まれにしか発見されず、所持しているのも王家などの限られた権力者だけのはずなのです。それを自分で作ってしまうというのはどういう事なのです? 本当にケイさまは物語の賢者か英雄のようなのです。
「たまたま、商業ギルドのギルド長に神聖属性の魔石を貰って持ってたから付与してみたら、何かもう一つぐらい付与が出来そうかもって、ふと思ったんだよね」
「ふと思っても普通は複数付与しようとは思わないのです。割れてしまったら魔石も最初の付与も無駄になってしまうのです」
「う~ん、割れたら割れたで魔石を元に戻せばいいしね」
「ニャ? そんな事……出来るのです…………?」
頷くケイさまを見て尊敬を通り越して、少し呆れてしまったのです。絶対にケイさまのスキルは異常なのです……。
「あ~でも、鑑定しながらやってみたんだけど、割れたり、上書きしたりするとその度に魔石の性能は落ちるみたいだから、完璧に元通りには出来ないみたいだけどね」
確かに付与の上書きは、魔石のさまざまな性能の最大値を下げてしまうと習った事があるのです。でも割れた魔石は粉にするしか使い道がなく、あたちの国でも魔石についてはまだまだ研究中のはずなのです。魔石の圧縮、修復、加工のどれか一つでも成功させようと、多くの研究者や魔術師が日々研究に明け暮れているというのに、それを全部、しかもいとも簡単に成し遂げてしまうなんて、本当にケイさまは人族なのです……?
『ま~細かい事はいいとして、とにかくこの腕輪は一番信頼しているニャンニャンに渡しておくから、みんなの事は頼んだよ! ニャンニャン副リーダー!』
『ま、任せて欲しいのです! あたちがあの子たちを、少しでもケイさまのお役に立てるように鍛えてみせるのです』
『いやいや、オレの役には立たなくていいから、あの子たちだけでも生きて行けるように導いてあげてね』
『わ、わかったのです。と、とにかく頑張るのです』
『うん、よろしくね!』
『あい!』
あたちはケイさまの信頼に応える為にも、あの子たちを立派な先鋭部隊にしてみせるのです。
♦ ♦ ♦ ♦
出来上がった軽量化して麻痺を付与したメイスと円盾、そして腕輪をもってみんなの下に向かう。
「ジュリアとルーナはメイスと盾が出来たから持ってみて! それとマヤとマルチナは使いたい装備とかある? マヤは杖かな?」
「でも、まだ攻撃魔法は使えないのでお任せします」
「ケイさま、マヤは杖がいいのです。杖術はおぼえると魔法の威力や効果が上がるのです」
「えっ! ホントに? じゃあ、マヤは杖でいいか……マルチナは?」
「わたしはいつも自分の爪で戦っていたので、それに近いものがあればお願いしたいです」
う~ん……忍者が使う手甲鉤とか? でもあれってしまう時どうすんの? バッグに入れておくとか? それだと咄嗟の時に困るよな…………そうだ! あれとかどうだろう? H方の柄の先に三角形の刃がついてる確か……ジャマダハルって名前だったか? あの武器ならかっこいいし鞘も作りやすい! それに虎狩りに使ってたって話だし魔物にも使えるだろう。
早速、マヤとマルチナの武器を作り二人に渡す。
「え~と、全員の武器に麻痺の効果を付けたんだけど、効かない相手もいるだろうからそれにばっかり頼らないようにね! あと余裕がある時でいいんだけど、麻痺が効く相手と効かない相手、何回で麻痺したかも調べておくと後々楽だと思うよ」
「は~い!」「「わかりました」」
「あとは……他に何か気になった事とかない? ジュリアとルーナは重さとかはどうだった?」
「大丈夫です。持てました!」
「わたしも大丈夫だった! 持てたよ」
「それなら良かった! マヤとマルチナは渡した武器はどんな感じ?」
「わたしはさっきも言ったんですが攻撃魔法が使えないんですが、どうやって攻撃すればいいんでしょうか?」
「あ、そうそう! マヤには腕輪も渡すんだった。はい、これ! 右手の手首がいいかな」
「マヤちゃん! 凄いね! お貴族さまみたい!」
その腕輪をルーナが隣で目をきらきらさせながら、のぞきこんでいる。
「その腕輪にはニャンニャンの魔法が込めてあるから、マヤはそれで魔物を拘束してみんなを援護してあげて、杖は攻撃魔法をおぼえるまでは……それで殴るしかないかな……」
「えっ? 殴る? 折れたりしませんか?」
「かなり丈夫だから平気だと思うよ! あとその腕輪を渡した本当の理由は言わなくても分かるよね」
「……はい。もしもの時は私がマルチナをとめられるように頑張ります」
ニャンニャンでも短い間しか押さえていられない事を考えると、マヤだけじゃかなり厳しいか……早く他のみんなにも魔力操作をおぼえて貰って腕輪を渡せるといいんだけど……。
「マヤ、私のせいでごめんね」
「ううん! 大丈夫だよ」
マヤとマルチナは本当に仲良しだから、何事も起こらないように早くライカンスロープの事を調べて対応策を見つけなくちゃな……。
「マルチナはその武器はどうだった? 使えそう?」
「は、はい! でも模様とかが入ってて、とても綺麗なので使うのが勿体ない気がします」
「あはは、使う為に作ったんだから使ってよ! 確かその武器は突くとかなり強いらしいから、機会があったら試してみて!」
「はい、わかりました。ありがとうございます。……でも二つもいいんですか? もう一つは予備とか?」
「あっ!ごめんごめん! ちゃんと説明してなかったね! 同じ武器を両手に持って戦うんだよ」
「あっ! そうなんだ! こういう感じですか?」
マルチナが一生懸命にポーズをとっているのをみて、少し笑いそうになる。元の世界では重度の中二病と診断された事だろう。
「そ、そうだね! そんな感じでいいと思うよ! あとは使いながら気になった所は、改良していこう」
「はい、ありがとうございます!」
でも、何かみんな近接武器になっちゃったな! しかも、三人が打撃か……マヤが拘束するとして、中距離か遠距離が一人ぐらいいた方がいいのかな? その辺の事をニャンニャンに聞いてみたが、戦いについてのメンバー構成などは習っていないかったようで知らないらしい。
「オレも良くわからないから何とも言えないし、必要だと感じてからでもいいかもしれないね。聞ける人がいればいいんだけど……まあ、それはおいおい解決していこう。それじゃあ、そろそろ太陽草取りに行こうか、え~と、マヤだけは残って腕輪の使い方をニャンニャンに習ってて! 他の三人はオレと一緒に探しに行こう」
みんなの良い返事と共にニャンニャンとマヤを残し、オレたちは森の奥へと進んで行った。




