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ライカンスロープの少女

大分、間があいてしまったので今出来たばかりですが投稿する事にしました。

よろしくお願いいたします。


 マヤの仲間だという獣人が気を失って人の姿に戻ったようなので、土魔法で作った壁を解除する。そこにはマヤと同い年ぐらいの裸の子供がうつ伏せに倒れていた。


「マルチナ!」


 マヤが急いでその子供を抱き起して介抱しているのを見て、あることに気づく。


「えっ! 女の子……」 


 勝手に狼の獣人といえばオオカミ男と決めつけていたが、どうやら女の子だったようだ。まあ、よく考えればオスがいるんだからメスもいるか……ということはオオカミ女? そんな事を考えながらボーっとその光景を眺めているとジュリアに後ろから思いっきり服を引っ張られる。


「いやらしい! 何ずっと見てんのよ! ここは私たちがやるから向こうに行ってて」 


「えっ! 誰もそんな目で見て……」   


「――いいから向こうに行っていて下さい」


 今度はルーナに思いっきり背中を押されて追いやられてしまう。


「わ、わかったよ……じゃあ、何かあったら呼んで! 倒した魔物の処理してるからさ……。ニャンニャン、一緒にお願い!」


『分かったのです』


 とりあえず近くに居ると変態扱いされてしまうので、オレはニャンニャンとブタネズミを回収して血抜きなどの処理を進める事にした。





 ♦ ♦ ♦ ♦





『じゃあ、ニャンニャン! ここに出してくれる!』


『あい!』


 ニャンニャンに収納してもらった全部のブタネズミを影から出してもらう。


『やっぱり闇魔法って最高だね! 特に収納の出来るのが超便利だよね! 早くオレもおぼえたいな!』


『ケイ様ならすぐコツを掴めるのです』


『でも無属性をある程度、先に覚えた方がいいんでしょ? しばらくは魔物の収納とかニャンニャンにお願いするけどよろしくね』


『任せて欲しいのです! 頑張るのです』


『ふふっ! ありがと! よろしくね!』


 頼られるのが嬉しいのか、凄く張り切っているニャンニャンが可愛くて思わずナデナデしておく。


『さて始めるか~! 毒があるんだよね? 肉は食べられないのかな?』


『確か喉の辺りにある器官を上手く取り除くと食べれるのです。食べるのが目的の場合は、倒すときにもその器官を傷つけないようにする必要があるのです』

 

『倒すのが目的だったから何も考えてなかったな……とりあえず毛皮を剥いで血抜きをしながら確認してみよう』


『了解なのです』


『あっ! 部屋から瓶とか入れ物を持ってくるから待ってて!』


『あい!』 

 

 部屋から戻ると早速、解体を始める。料理スキルの抽出で血抜きをして、ある程度の量の血液を瓶に確保しておく。確かポーションの材料に血液を使うものがあったので、ブタネズミの血液が使えるか分からないが、一応念の為に取って置くことにした。 

  

『ん? ニャンニャンどうしたの?』


『……それはどうやっているのです?』


『料理の抽出ってスキルを使ってるんだけど意外と便利だよ』


『す、す、凄いのです。あたちも、お料理を頑張るので教えて欲しいのです』


『もちろん! でも教えてスキルが使えるようになるのかな? 食事を一緒に作っていけば、その内スキルが発現するとか?』


『属性魔法などの先天的なスキル以外は、低確率ですが修練によって使えるようになるはずなのです! 頑張るのです』


『ほ~そうなんだ……』


 その後もスキルなどの話をしながら解体を続けてみたが、確かに喉の部分に器官がありそこが傷ついている半数以上のブタネズミの肉は食べれない状態だった。


『これだね! この器官が傷つくとまずいみたい。この毒も抽出しておくと麻痺毒として使えるかも』


『………ケイ様、毒が漏れ出てしまって駄目になった肉も、毒を抽出したら食べられるようになるのではないのです?』


『…………ニャンニャン天才! やってみよう!』

  

 試しに毒まみれの肉の毒を瓶に抽出してみる。鑑定してみると肉を毒のない状態にはすることは出来たようだ。


『凄い! ニャンニャン! 成功だよ! ニャンニャンのおかげで抽出の面白い使い方が見つかったよ! ありがとう!』


『えへへなのです』


 嬉しそうにしているニャンニャンをまたナデナデしておく。


『あっ!』


『どうしたのです?』


『オレもいい事、思いついた! ちょっと見てて』


 試しに毒まみれの肉に浄化と、状態異常を解消するキュアポイズンの魔法をかけて鑑定してみる。まず浄化をかけた方の肉は毒、表面の汚れ、有害な細菌などすべてが取り除かれ、やはり食材には浄化が最善なのかもしれない。そして、キュアポイズンをかけた方の肉は効果がなかったのか、毒が取り除けてはいなかった。その結果をニャンニャンにも伝える。


『確か城で読んだ神聖魔法の魔導書に、キュアポイズンの魔法は生命力を利用して毒に対する耐性を高めて毒を分解、除去する効果があると書いてあったのです』

 

『……という事は生きていないと効果がないって事か。いい事が聞けたよ! ありがとう!』


『いつでも聞いて欲しいのです。知っている事なら何でも答えるのです』


『ありがと~! 頼りにしてるね!』


 またニャンニャンをナデナデした後、メモ帳に魔法やスキルの検証ができた効果について書き留めいると、ジュリアの呼ぶ声が聞こえてきた。


「ケイ~! どこ~?」


『ニャンニャン、もう少しで終わるから悪いけど呼んで来てくれる?』


『了解なのです!』


 ニャンニャンが茂みに消えて行くのを見送った後、また解体の続きに取り掛かった。





 ♦ ♦ ♦ ♦





「あ~居た居た! 凄いお利口なネコちゃんだね! ちゃんとケイがいる所まで案内してくれた」


 その声に振り返ると、ライカンスロープの彼女も含めた四人の女の子が並んで立っていた。


「ニャンニャン! ありがとう! そっちの二人の分も用意したんだけど持って行けるかな?」


「ケイ! 違うの! この二人も私たちのパーティーに入りたいんだって」


「お願いします。私たちも仲間にして下さい」「さっきはごめんなさい! マヤを助けようと思っただけなんです……」


「話してみたら二人とも私たちと似たような境遇なんです。仲間にしてあげて下さい」


「え~と……君はマルチナだったっけ? 君だけちょっと一緒に来てくれる」


「は、はい!」


「ケイ!」


「ちょっと大事な話をしてくるからみんな待ってて!」


 不安そうな三人を残し、少し離れた場所まで二人で移動して話を始める。


「ライカンスロープは人を食べると聞いた事があるんだけど、マルチナ、君は人を食べたことはある?」


「…………ありません…………でも……」


「でも?」


「…………でも食べたいと思う衝動が湧きおこってたまらない時があります。今はどうにかその衝動を抑えられていますが、もしも、いつかマヤに何かしてしまったらと思うと、本当にこのまま一緒にいていいのかなって……」


 ずっと不安に思っていたのか、マルチナは涙ながらに秘密にしていたであろう心情を正直に話してくれた。本当は誰かに聞いて欲しいと思っていたのかもしれない。


「変身しない事は可能なの?」


「出来るけど、それだとマヤを守れないし……」


「う~ん、変身している間は知性が低くなるらしいし、長く変身してると戻れなくなるらしいよ。その状態でマヤを守る事が本当に安全だと思う?」


「…………」


「同じパーティーでやって行くなら、変身しなくても戦えるように鍛えなきゃだね」


「えっ! でも……」


「最初から人を食べていない時点で、仲間になってもらうつもりでいたんだよね。一緒に対処法を考えて行こう」


 それを聞いた途端に突然、地面にひれ伏したマルチナにこう懇願される。


「…………お願いします。私を奴隷にして下さい」


 オレはそれには答える事が出来ず、ただただ土下座状態のマルチナを見つめるしか出来なかった。







 

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