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甘えん坊

 ブックマーク・コメント・評価・いいね・感想ありがとうございます。

励みになります。

 お待たせしました。大分、間が空いてしまいましたがよろしくお願いします。


「ケイさま、ごめんなさいなのです」


 部屋に戻るなりニャンニャンに謝られてしまう。どうしたのか聞いてみると、干し肉を食べられそうになって、また喋ってしまったのだという。


「あはは、また喋っちゃったの? まあ、喋っちゃったのなら仕方ないよ! 次は……ん? 食べられそうになった?」


「あっ! 違うのです! ロージーは片付けようとしたのです」


「ロージー?」


「友達になったのです。あたちとロージーは仲良しなのです」


「ええっ? メイドさんだよね? お友達になったの?」


「いけなかったです?」


「いや、凄いじゃん! そのロージーは喋った事は秘密にしてくれそう?」


「あい、二人だけの秘密なのです」


 なんかニャンニャンはオレより社交性があるのでは……。


「なるほどロージーね、そのうち紹介してよ」


「あい! 今度遊ぶ約束をしたのです。あっ! ケイさまは遊び方を知ってるのです?」


「えっ? 遊び方? 女の子ならなんだろ? ん~っ、ままごととか人形遊びかな?」


 ままごとと人形遊びをどんなものか説明すると、ニャンニャンは『演劇のようなものなのですね』と頷いていた。確かに色々なキャラクターを演じるからそうとも言えるが……。


「ぬいぐるみを二人の子供にしたりとか、色んなストーリーを考えてやれば面白いと思うよ」


「魔王を退治に行く勇者をやりたいのです」


「ほ~面白そうだね! ぬいぐるみとか剣とかの小物も作ってあげるよ」


「嬉しいのです! あたちは勇者の仲間の魔法使いがいいのです」


 ニャンニャンは尻尾をピーンとさせて喜んでいた。でもやりたいのが勇者とか攫われたお姫様とかじゃないんだ……。


「でもお腹減っちゃったから、何か食べてから作るね! ニャンニャンも食べる?」 


「あい…………にゃ? でも食事に行ったんじゃなかったです?」


「色々聞かれて話してたら食べそこなっちゃったんだよね」

 

 とりあえず、【秘密の部屋】を出して中に入り食事をすることにした。





 ♦ ♦ ♦ ♦





 食事も終わり、ニャンニャンと食後の紅茶を飲みながらお喋りをして、しばらくまったりしていたが、眠たくなる前に作れるだけ作る事にする。


「よし、そろそろ作るか!」


「あい」


 まずはニャンニャンのコスプレ衣装を作ってあげる。淡いピンクを主体にしたドレスと編みぐるみの魔法のステッキである。妹が好きだった魔法少女をイメージして作ったが、ステッキは先端のハートが回転する自分でも自画自賛の出来である。


「魔法使いはこんな格好しないのです……ケイさまみたいなのがいいのです」


「えっ! 可愛いじゃん! オレの国の魔法使いの女の子は、みんなこんな感じなんだけど……。一回着てみて鏡で見てみなよ」


 ニャンニャンはブツブツ言いながら、ドレスを着て鏡の前でステッキを振りながらポーズをとっている。意外とノリノリである。


「可愛いじゃん! 頭はリボンかな……?」


 ピンクの大きいリボンを頭に付けてあげる。


「……本当に可愛いです?」


「うん、でもニャンニャンが嫌なら仕方ないね。凄く可愛くて似合ってるし、ピンクは主人公がよく着ている色だったんだけど、オレとお揃いの地味な色のローブにするね……」


「こ、これでいいのです」


「いや、いいよ! 無理しなくて」


「こ、これがいいのです! 分かっているのにケイさまは意地悪なのです」 


「あはは、意外と着てみると良いでしょ!」


「あい」


 文句を言っていたものの、着てみて鏡で見てみたら想像以上に良かったらしい。その後は危なくないように剣なども編みぐるみで作り、魔王や色違いのニャンニャンのぬいぐるみも数体作ってみた。これは凄い可愛い……売れる予感がする。


「このニャンニャンのぬいぐるみは、ロージーにあげてもいいよ。凄く喜ぶと思うし」


「あたちのぬいぐるみで喜ぶです……?」


「うん、ニャンニャンに似せて作ったから可愛いし、喜ぶと思うよ」


「そうなのです……?」


「うん! ニャンニャンは凄く可愛い!」


 ニャンニャンを抱っこしてナデナデしてあげる。ニャンニャンは今まで自分の容姿で褒められたことがないので、褒めて褒めて自信を回復させてあげようと思う。だってこんなに可愛いんだから……。


「あっ! そうだ! 明日一日お休み貰えたから一緒に街に行こうね」


「あい」


 ニャンニャンが頭をスリスリしてきて甘えてくる。


「あれ? 急に甘えん坊になっちゃったね」


「こ、これは違うのです――」「――仲間で友達でそしてもう家族なんだからオレには甘えていいんだよ」


「…………あい」


 胸にピッタリくっついているニャンニャンを抱っこしたまま、次の作業に取り掛かる。メイドさんの服とパトリシア様のドレスと装飾品を昔の記憶をもとに作っていく。はっきり言ってパトリシア様の分はメイド服を揃える為のオマケである。メイド服とエプロンは試着用にそれぞれ三つのサイズを作り、後は試着してもらって数を揃えるだけだが靴は皮が手に入ってからかな……。


 問題はおまけとはいえパトリシア様のドレスである。流行を作り出すといっても、余りにもこの世界の流行から大きくそれてしまうとそれも問題である。確かお茶会で聞いた話だと、まだこの世界ではそんなに色のバリエーションがなく、珍しい色というだけでも十分に流行する可能性があるようだ。最近はグリーンのドレスが流行り出していて、紫は貝か何かの軟体動物を九千匹使って顔料が一グラムしか取れないらしく、今も昔も高級で手に入り辛いそうだ。


 となると紫とグリーンを一着ずつでいいかな……。今はとりあえず膨らましておけば良いと考えているのか、袖とスカートの裾は大きく膨らんでいる。第三者目線で見る分にはエレガントで素晴らしいと思うが、肘掛や背もたれのある椅子に座れないそうだし、広がりすぎたスカートの裾に暖炉の火が引火したり、馬車の車輪に巻き込まれたりと事故が後を絶たなかったそうだ。それでも着るのだから女性たちのファッションへの情熱と根性は凄いものがある。


 個人的にはボリュームのあるエレガントなドレスもいいとは思うが、素敵に見えても健康面や事故の危険があっては本末転倒である。安全面を考えるとドレスのボリュームは徐々に小さくしていき、せめて普段着ぐらいはコルセットを外して楽な格好をさせてあげるのが、本当の意味で女性の為になる事かもしれない。でもやっぱりファッションの事を考えるのは楽しい。高校の時に本当は大学に行かずに、美容師か服飾系の専門学校に行きたいと思っていたから、ある意味こちらの世界に来て夢が叶ったともいえる。


 確か元の世界でもボリュームのあるドレスは徐々に減って、バッスルスタイルというお尻の部分だけボリュームのあるドレスに流行が移って行ったはず。色々思い出しながらドレスや小物作りに夢中になっていると、抱っこしていたニャンニャンがいつの間にか寝ていることに気が付いた。オレも大きな欠伸をして今日の所は眠ることにした。


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