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浮かび上がる魔法円


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ありがとうございます。




 その後、しょぼぼんとしてしまったニャンニャンちゃんは、みんなで褒めたり、どれだけ重要な存在かを伝えた事で何とか元気を取り戻してくれた。別に強い人が入ったからって、ニャンニャンちゃんを副リーダーから降ろそうなんて誰も思わないのに……。まだ、それだけ信頼されてないって事なんだろうけど、そんな心配なんてしなくてもいいように、早くもっともっと仲良くなれればいいな。


「ルーナ! 魔力が全然、操作できていないのです。ちゃんと集中をするのです」


「あっ、はい! ごめんなさい!」


 ニャンニャンちゃんの事を考えていたんだから少しは見逃して欲しいとも思ったけど、確かに訓練中に集中をしていないのは良くないよね……今は魔力操作に集中しなきゃ!


「じゃあ、そろそろ、ケイさまから預かっている練習用の指輪を渡していくのです」

 

「えっ! なになに? 指輪?」


 一番、近くにいたジュリアが最初に指輪を受け取り、私と他の二人もニャンニャンちゃんに駆け寄り、指輪を受け取る。


「まずはあたちが使ってみるのです」


 そう言ってニャンニャンちゃんが腕輪(ニャンニャンちゃんのは腕輪なんだ)をはめて右手を前にかざす。すると、手の先に複雑な模様に囲まれた光るネコの顔が浮かび上がる。


「わ~~っ! その真ん中のってニャンニャンちゃんなのかな? 可愛い~」「その周りの模様とか文字の中にあるのってニャンニャンちゃんの足跡じゃない? 可愛い」「うん、肉球ですね! 可愛い」「それって、ネコのむぐっ!」


 またジュリアが余計な事を言いそうだったから口をふさぐ。


「ケット・シーの足跡! 可愛いね、ジュリア」


 さすがのジュリアも察したのか、口を押えられながらコクコクと頷く。


「そうなのです。この腕輪はケイさまがあたち用にケット・シー型の魔法円が浮かび上がるように作ってくれた特別性なのです。でも、光る以外に特に効果は無いから、魔力操作の練習とか絡まれた時に相手を脅かすぐらいにしか使えないとケイさまも言っていたのです」


「あの~……ニャンニャンちゃん! まほうえんっていうのは……?」


 分からない言葉が出てきたので勇気を出して聞いてみる。


「ん~っ……そういえば、まだ教えていなかったのです。魔法円は基本、二重になった円を土台にして、その中に発動したい魔法によってさまざまな図形を組み合わせたり、中に文字や記号を書き込んで発動の補助や――」


「――ちょ、ちょっと待って、全然、わかんない」


 さすがに難しい言葉がいっぱい出てきて、私も含めてマヤちゃんとマルチナさんもジュリアの意見に賛成のようだ。


「……私も」「私もです……」「私もわからないです」


「う~ん……じゃあ、今の所は魔法円は地面に描いて魔法を使うための補助をするものとでも覚えておけばいいのです」


「わかりました」「は~い」「なるほど……」


「……あの~それで先生、これはどの指につければ良いんですか?」


「指輪に自分の魔力を注いでその手から魔法を発動させるイメージなのです。だから利き手ならどの指でも問題ないのです。……じゃあ、そろそろ魔力操作を使って指輪に魔力を注いでみるのです。上手くできたら魔法円が浮かび上がるはずなのです」


「「はい」」「よし、がんばる!」「はい、やってみます」


 そして、早速、マヤちゃんが前にかざした手のひらの前に、光る円の形をした模様を浮かび上がらせる。


「やった! 出来ました! でも、ネ……じゃなかった。ケット・シーの模様が出てこないです……」


「だから、あたちのは特別性って言ってるのです。みんなのは普通の魔法円を模しただけのものなのです」


「ええ~っ! そうなの? ネコのやつが良かったのに」


「ジュリア!」


「あっ!」 


 幸いなことに今のはニャンニャンちゃんには聞かれていなかったみたい。

 

「やった! わたしも出来ました」


 そうこうしている間に、どうやらマルチナさんも成功させたようだ。そういえば、昨日、コツをつかんだかもって言ってたもんね。いいなぁ~。

 

「わぁ~マルチナさん! おめでとう!」


「ありがとう! ルーナちゃん! でも、マヤと色が違うんだけど……」


「ルーナは人を褒めてる場合じゃないのです! あと色はケイさまが光魔法で付与した色がついているだけで、魔法操作のうまさとかは一切関係がないのです」


「あっ! はい……ごめんなさい。集中します」


 ううっ、あと出来ていないのは私とジュリアだけ……。


「よかった。色は関係ないんですね。失敗しちゃったかと思っちゃった」


「マルチナ! おめでと~! いいな~! 緑色~。ニャンニャンちゃん、この色はケイさまが決めたの? 私が黄色でマルチナが緑って何か意味があるのかな?」


「ないのです! あたちが適当に渡したから単純に運なのです。好きな色があったら別に交換しても良いのです」


「……そうなんだ! じゃあ、じゃあさ! マルチナ、私の黄色と交換してくれない?」


「いいよ! はい!」


 マヤちゃんは緑が好きなのかな? 


「やった、ありがとう!」


 ううっ! 楽しそう! 早く自分の指輪の色も見てみたいのに光る気配すらない。チラチラ、ジュリアの方を窺いながらやっているけど、たまにジュリアと目が合う。さすがに一番最後になるのは避けたいけど、ジュリアも同じでこっちの進み具合が気になるみたい。


「じゃあ、一旦、手を止めて集まるのです」


「全然、出来ない」「私も……」


 ジュリアと小声で報告し合い、ニャンニャンちゃんの前に一緒に駆け寄る。


「ジュリアとルーナはお互いをチラチラ見ていて、全然、集中していないのです。まずはもっと自分の事だけに集中するのです」


「は~い」「はい」


 バレてた……。そうだよね! まずは自分の事だよね。


「マヤとマルチナはよくできているから次の段階にいくのです」


 え~っ、次があるの! まだ、最初の段階も出来ていないのに……。


「じゃあ、ちょっと見るのです」


 そう言ってニャンニャンちゃんが先程と同じくケット―・シーの魔法円を出すと、今度は周りの模様がゆっくり回転し始めたかと思うとその中心のネコ……じゃなかった……ケット・シーが色んな表情をし始める。


「わぁ~! 凄い! 動いてる」


「ふっふっふっ! そうなのです! 少し多めに魔力を注ぐと、それに指輪が反応して動く仕組みなのです。これは強力な魔法を使う為にも必要な事なのです。だから、とても良い練習になるのです」


「なるほど~!」


「じゃあ、二人はより多くの魔力を指輪に注いでみるのです」


「「はい!」」


「それとルーナとジュリアは一度こちらに来るのです。あたちが二人に魔力を流して魔力を感じる所からおさらいをするのです。ルーナは昨日、胸に魔力が集まっている事に気付いたのに、今日は集中していなくてダメダメなのです」


 確かに昨日、魔力が体を巡っているのを感じられるようになったけど、それと操作するのはまた別な気がする……。だって、注ぐっていう感覚がいまいち、掴めないんだもん……。






 ♦ ♦ ♦ ♦





 残念ながら魔法円を浮き上がらせる事が出来ないまま、今回の訓練は時間となってしまった。結局、魔法円を動かす事はマヤちゃんもマルチナさんも出来なかったみたい。あの二人が出来ないなんてどれだけ難しいんだろう? 浮かび上がらせる事も出来なかった私とジュリアに果たして出来るようになるのだろうか……。


「じゃあ、今から一角ウサギを狩りに行くのです。今日はケイさまの提案もあって、最初に石を投げてから戦闘に入ってみるのです」


「当たるかな?」


「う~ん、じゃあ、少し練習してみるのです。みんな、あの木を狙っていくつか石を投げてみるのです」


 みんなで石を集め、的に指定された木にみんなで石を投げてみる。投げた石は虫がとまりそうなほど遅く、そして届かないか見当違いの方向に飛んでいってしまう。そんな中、マルチナさんが投げた石だけ凄い勢いで狙った木に当たり大きな音を立てる。


「わぁ~凄い!」「凄い音! 音が怖い!」


「マルチナさんは本当に身体能力が高いよね。いいな~」


「そ、そんな事ないよ! ルーナちゃんも練習すればこのぐらい出来るようになるよ」


「だと良いんだけど……」


「ん~っ……今日、投げるのはマルチナだけでいいのです。当たっても当たらなくても二個まで投げて、それから全員で近寄って戦闘を開始するのです。マヤはそれを拘束でサポートするのです」


「はい! わかりました」


「それじゃあ、みんな行くのです!」


「「「「おーっ!」」」」



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