目覚め
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--起きてください。起きてください。--
優しい声がする…。私がゆっくりと目を開けると、顔の小さな、人形のような美しい女が顔を覗かせている。
「あ、あなたは?」
私は声を震わせ、そう聞いた。
「覚えていらっしゃらないのですか?」
女は疑うように答えた。
「ええ、すみません。どうも記憶が混乱しているのか、よく思い出せないのです。ここがどこなのか、自分が誰なのか。そして、あなたが誰なのか。」
私はそう言い、体を起こし、あたりを見渡した。
そこは、道だった。青いカーネーションと百合とが咲き乱れている中に一本の道があり、私たちはその道の真ん中に座っていた。
「ふふ、あなたは本当にどこか抜けているところがあるのね。私はあなたの、妻ですよ。」
女は優しい笑顔で微笑み、照れたような顔で答えた。
「あなたがわたしの…。すいません。よく思い出せなくて。
ここは、、どこなのですか?」
私が問いかけると、
「私たちは旅をしていてその途中ですよ。ここがどこだか、私にもわかりません。」
女は答え、
「さぁ、立ってください。行きますよ。」
と、わたしの手を強く握り、引っ張っり、この一本道を進んだ。