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記憶か夢か二重人格?  作者: 初老喜多
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はじめに

「おれ」と「アイツ」による記述になります。

作者の日常を描いていますが、記憶を整理する目的もあり、時々時系列が飛びます。

ある意味異常者による犯罪記録なのかもしれません(もちろん冗談のつもりです)

カバンの中に2冊の手帳が入っている。

片方は俺が使っているやつで、日記のように毎日の出来事を時系列で記録しているものだ。


3月25日 日曜

10時過ぎに起床 ジョギング用の真っ赤な上下で寝ていた。

現金2万6042円

レシート 山孝  2300円

     酔笑  4200円

     すき屋 680円

昼過ぎ年寄り共と昼飯 親父が下のコンビニで買ってきた海苔巻き

夕方おふくろがまた行方不明「今晩カレーだから福神漬けを買いに出た。」と親父

俺が作ったカレーと(冷蔵庫に入ってた)福神漬けで親父と晩飯を食っていると。

2時間後牛乳だのアイスだの醤油だのをぶら下げて戻ってきた。(福神漬けは買ってなかった)


スマホを確認。今日は3月26日だ。一安心だな。記憶とズレがない。


さてもう一冊は所謂システム手帳というやつでアイツが使っている。


最後のページは

5月1日 火曜

現金161,231円

レシート JR西日本  14250円

     播磨屋    18300円

     ホリデイイン 12500円

     従姉妹の葬式 香典5万円


大阪から新幹線 午後8時福山着 ホテルで着替えてから

迎えに来た「ケンちゃん?」のクルマで本家 松永 三次 新左エ門 黒川さん



ああ 「静子さん」死んじゃうんだな。

松永とか三次ってのは確か親父の兄弟のハズ。

新左エ門?親父にそれとなく確認しといた方がいいかな?

わざわざアイツが書いてるんだから、何かしら関係あるかもしれん。





なんのことか説明不足だよな。

これは俺とアイツがもう何年も続けている交換日記みたいなもんで、

それぞれの「自分」が経験したことや対応した人間の名前を相手に伝えるための決まり事なんだ。



俺は30代の頃それまで勤めていた地方銀行を辞めた。

理由は、体調不良で業務に耐えられない。ってことになってるが実際は「アイツおかしいだろ」ってことが頻発して銀行に迷惑かけるようになったんで居られなくなったんだ。


ちょうど最初の女房(支店長の紹介だった)と離婚したりしてガタガタしてたのもあるし、俺の言動が周囲から気味悪がられたりして、自分でも何が何だかわからなくてパニクってたりしたからな。

だって、こっちは何回もあってるつもりの相手が「初対面ですよね?」とか記憶にない相手と融資を決めてたりすれば、そりゃあ大問題だよ。そのうち日にちの感覚だって曖昧になってくるし。


精神病院というやつに初めて行ったときは、正直大変なショックで自分の人生を悲観したもんだ。

だって待合室を大声で話しながら(もちろん一人だ)歩き回るやつ。

受付のお姉さんに何度も何度もバスの時間を聞いてるやつ。

(言っとくけどその病院にバスなんか来ない。)

隣に座ったよれよれのキテ〇ーちゃんジャージのネーちゃんは髪の毛ぼさぼさ、化粧っ気なし。

「最後に風呂入ったのいつ?」ってくらい臭くてさ。おまけにずっと爪噛んでんの。

予約時間の1時間後にやっと診察してくれた医者は、如何にも「僕は貴男の理解者ですよ。」みたいな顔しててさ。俺に生い立ちから何から30分もしゃべらせた挙句「う~ん。はっきりしたことは言えませんが、お仕事のストレスで記憶が混乱しているんでしょう。とりあえず睡眠薬を出しますから2か月後にまた来てください。」だって。バカ野郎!毎日ぐっすり寝てるよ!またこんなとこに来んのかよ?


翌日支店長に報告したら。にやにやしやがって、「うん。了解。とりあえず2か月休職ね。もう人事には許可取ってあるから。引き継ぎも心配いらないから。今日はこれで上がっていいよ。」だって。

なんだか呆然とした感じで支店を出たらまだ10時過ぎでさ。

とぼとぼ駅まで歩いたら朝からやってる居酒屋が目に入って、モツ煮頼んだんだけどさ。

気付いたら俺ビール飲みながら泣いてんのさ。よく自殺しなかったな、俺(笑)。




前作の連載版になるといいな。

とにかく書き始めます。

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