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Ⅶ
先ほど落としたスプーンは、もう真っ二つにおられていた。暗い部屋に1人。
「×……。えねねが、えねねが手紙を受け取ったわ」
窓から差し込む夕日が、黒いカーテンによって遮られる。
「伝わったかしら……。私の思い。えねねを思った、愛の手紙」
ここは3階。階段を降りえねねを間近で見たい。が、これがバレては4人に××は殺されるのだろう。だから、あとの3人が×ぬのを待って、えねねを見たい。1人残ったえねねに戦闘能力はないはずだ。だから、すぐえねねを私のものにできる………。
「さぁ、えねね!私の元においで!!何も怖くないわ、何よりも!!私が貴方を守ってあげるから、おいで!えねねっ!!!!」
どんなに叫んでも、下の階には届かない。
___気づいて….えねね…。
声が届かないのと同じで、祈りも恨みも何もかもえねねの耳には届かない。




