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原風景  作者: ひやとい
11/11

原風景11

スマホもない時代に派遣のバイトに行った男がひどい目に遭う話です。


 図書館へ向かう道の途中に小学校がある。とっくに登校時間は終わっていた。

 出来てからしばらく経つらしく、白く塗られたコンクリート製の校舎はどことなく薄汚れ、遠目からでもそれとわかるクラックが入っていた。

 校舎からは子供たちのものらしい甲声が時折聞こえ、平和な日常が展開されている様子が伺えた。

 その校舎のすぐそばにある校門を道沿いに通過するとすぐ、図書館に着いた。

 区で一番の規模を誇るそこは、隣の小学校と同じように白い建物で、同時期に作られたのではないかと思われるほどに似通っていて、クラックの入り方までそっくりだった。

 火のついたたばこを持ったままだったので、中に入る前に消そうかと一瞬思ったが、館の、元の躯体から少しそこだけ外へ出っ張った状態になっている入口をみると、その口の自動ドアと、すぐ奥にある館内へとつながる自動ドアとの間の横の方に、喫煙所があることに気づいたので、館内に入る前に少しそこで落ち着くことにした。

 喫煙所の灰皿のそばにある木製の、背もたれの無いベンチに座り、とりあえず一口吸った。

 外と中をつなぐ出っ張りの入り口はいくぶん広めに取られていて、喫煙所と反対側の方にあるスペースには区か都かのパンフレットがたくさん入った棚が置かれている。

 それを何気なく見ながら煙を吐き出すと、気持ちぶん息が苦しかった。

 ゆっくり歩いているように思っていてもどうやら早足だったらしい。それにつられるように気づくと、顔に湿り気も感じた。ポケットからタオルハンカチを出して汗を、軽くたたくようにぬぐう。

 終わると、どうせなら缶コーヒーでも買ってくるかすればよかったかな、と思いつつ息を落ち着かせ、たばこを深く、深呼吸でもするみたいに吸い、少しだけ息を止めるとゆっくりと吐き出す。出した煙はすっかり薄まっていて、すぐ空気と一体化した。

 火を消していくらかぼうっとすると、重くなりそうな腰をあげ、館内に入った。

 一階は児童室と視聴覚室がメインになっているので用はない。二番目の自動ドアをを抜けたすぐ横にある階段で二階へ向かった。

 踊り場を抜けて上がると、目的の図書室に着く。

 室内は真ん中だけ広めに空間が取られていて人が行きかいやすいようになっているが、あとは本棚がぎっしりと並んでいた。

 上がった階段のすぐそばにあるカウンターで目的の関係書籍の場所を訊きすぐ向かう。平日の午前中とあって、まだ人気は少なく、いても主婦と見える人や年月を働き終えた風な人、たまに学校にも行かずに日々を過ごしているような若者。そんな人たちがちらほらいるだけだった。


続きます。

以上でストックがなくなったので更新が遅くなると思いますがよろしくどうぞ。

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