女勇者の故郷
「全く、だからいっただろう」
「ごめんつい…」
いっかくうさぎを倒し、ハナに注意をする
ハナは申し訳なさそうにうなだれる
魔王討伐が完了して、私たちは2人で故郷に戻る旅にでた。
あれから一年たち魔物の数が減ったが人里離れた場所では魔物は出現する
「今度から気をつけるように」
そういってハナの頭をポンポンとたたき微笑んだ。
草原を歩いていく、
「あと少しで故郷だね、復旧どのぐらい進んだかな…?」
ヒヨリとハナの故郷は旅立つ直前魔物の大群に襲われた
狙いは勇者の能力にまだ目覚めていないヒヨリ
だが襲われている間にヒヨリは覚醒を果たして
生き残ることができた。
ヒヨリとハナはその後すぐに旅に出て
復旧の状態を一度も確認していない。
「どうだろうなぁ、だけど家が壊れてたら立て直すのだろう?」
「うん!そして、この旅で手に入れた花の種を植えて2人でのんびり暮らすんだよね!ヒヨリはお花好きだもんね」
「…あぁ、好きだよ」
そう言ってハナに微笑んだ
その好きに他の気持ちをこめていることにハナは気がついているだろうか?
いや、気がつかなくてもいい
だってそんな気持ちを伝えなくてもハナは必ずヒヨリの隣にいてくれるのだから
ニコニコとハナとヒヨリは笑い合いながら故郷へ向かった。
「おぉ!ヒヨリ、ハナ!無事で何より!」
「ハナ!ヒヨリ!おかえり!」
「今日は街全体でお祝いだ!!」
故郷に帰ると街の人たちは盛大にヒヨリとハナを迎える。
街は復旧されて昔と同じ風景が広がっていた
みんな笑って幸せそうで
「「ただいま!」」
ハナとヒヨリもその輪に入り笑い合った。
その夜は飲んで食べて、踊ってお祭り騒ぎ
人と関わることは苦手であるヒヨリだがこの時だけは心の底から嬉しくて楽しんでいた。
「そろそろ家に帰るよハナ」
「はーい!」
夜も遅くなりヒヨリは楽しげに過ごすハナを呼ぶ
「えーもう少し楽しもうよ!」
「あんた無駄絡みしないの!」
宿屋の夫婦がそういいあっている
この2人は昔からお世話になっていて、近所の子供ではあるヒヨリたちに優しくしてくれていた。
また、明日もお祭りすればいいさ!ははは!
飲み過ぎですよ町長!
ヒヨリの父親である町長とその秘書が話している
そんな人たちにそれぞれ声をかけながら2人は家に向かった。
「疲れたな」
寝る準備をして、ベットに腰をかけるとヒヨリはいった。
「慣れないことしたから?」
その隣のベットに同じように腰をかけるハナ
「そうだよ、人混みは苦手だ」
そういうとベットに倒れ込むヒヨリ
「でも楽しかったでしょ?」
そんなヒヨリを見てにっこりと笑うハナ
「まぁ…」
本音を指摘され小さく返事をするヒヨリ
「ふふふ、よーし!明日は花の種を植えるのだから今日はもう休もう!」
「そうだな」
「ヒヨリおやすみ」
「おやすみハナ…」
そういって2人は眠りについた。