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女勇者の加護





数日後

ヒヨリたちはカケルたちのパーティと共に炎狐の討伐を行った。


ヒヨリとカケルたちのエリアはへつくとそこでは報告より多くの炎狐が出現していた。


逃げ出すこともできず仕方がなく戦闘を行ったが、やはり陣形は崩れていく


Aランクになりたてだったナツとユキは生きてはいるが戦闘不能状態に陥り、カケルとサクでの対処が難しいと途中でイツキが判断したためヒヨリ、カケル、サク、イツキで連携しての戦闘に変更となった。


「サク!私に魔法はいい!」

「ですが!」


カケルが炎狐との戦闘に疲弊し、致命傷を受けたことでサクが高度の回復魔法を発動させたことにより、予想よりもサクの魔力が消費された。

このままでは全滅してしまう。


ヒヨリはそう判断し、自分にかけられている清き魔法の解除を指示した。

しかし、通常炎狐との戦闘は常に魔法を発動させなければ普通の人間は熱さに苦しみ戦闘など不可能である。


「私は特殊スキル持ちだ!炎は致命傷にならない!」


迷うサクにそう告げるがサクはまだ悩んでいる様子で魔法の解除がされない。


「サク!ヒヨリの言う通りに!」

その時イツキがサクにそう指示する。


「っ!わかりました!解除!」

イツキの声に驚いた様子のサクだがすぐに

指示に従った。

ヒヨリの体の周りにあった魔法が解かれ炎がヒヨリをら襲う。


熱くは…ない。

「イツキ!一気にたたみかける!」


「了解!!」

イツキがヒヨリに合わせて魔法を放った。




「あぁ!!疲れた!!」

イツキはそういうとその場で寝っ転がる


この発生数なら、5人以上のSランク冒険者または国の兵士で討伐すべき、それをたった6人での討伐を行ったのだ。


「ギルドに調査は正確にと伝えないとな…」

ヒヨリは腰の剣を納め一息ついた。


「……ヒヨリとイツキのおかげだ、俺らだけだったら全滅だった…」

気絶してるナツとユキの横でカケルは座り込みいった。

満身創痍、額から血が流れ顔色は悪いが大きな怪我は見当たらない。


「ヒヨリさん…火傷が…」

サクは少し魔力不足で足取りはふらついているが、大きな怪我はない。

戦闘中様子を見ていたが敵の動きをよく見ていて回避率が高かったためダメージはあまり受けてないようだ。


「大したことない」

ヒヨリはと言うと平然とたってはいる


だけど見た目だけで言うと1番ひどい状態だった

右頬には赤黒い火傷、露出している部分のどこもかしこも火傷だらけであり

見ているだけで痛々しい


「さっきもいっただろう?私はあるスキルを持っているから火傷程度の痛みは感じない」


「…」

サクは何か言いたそうにこちらをみているが何も言わない


すこし気まずい雰囲気が流れる。


「….さて!今から街に帰るのは体力的に少し危ないし、魔法使いの2人も目が覚めていない、ここは少しこの場で野宿にしようか?」

そんな空気をばっさりと切るようにイツキはいった。


最初に見張りに入ったのはヒヨリだった

カケルの体力、サクとイツキの魔力状態を見る限り1番動けるヒヨリが見張りにたち回復次第交換していくことになったのだ。


火を魔法でのべてそれを囲うようにそれぞれ眠る

ヒヨリはそこから少しはなれなれた場所で暗い森の様子を伺いながら魔物や小動物の気配を探っていく。


「ヒヨリさん…」

「…もう少し休むべきでは?」


少し経つとサクがゆっくりとヒヨリの元にやってきた。


「今、4割程魔力が回復しましたよ、僕魔力の回復早いんですよね」


「そうか、じゃあ代わってもらおうか」

ヒヨリは立ち上がろうとする


「はい、でもその前にお話しいいでしょうか?」

だがそれを制するようにサクはいった


「なに?」

「ヒヨリさんのスキルのことです。」


「…」

ヒヨリは黙ってサクを見つめた 。


「…敵からのダメージを感じない無敵のスキル…勇者の加護っていうスキルですよね?

あなたは…魔王を討伐した勇者様ではありませんか?」


「….そうだったらなに?」

侮れないとは思っていたがあまり公にしていない勇者のスキルを把握しているとはなかなかである 。


「いえ、ただ気になっただけです、他の誰かに言うとかそういうことはしません」


「そうか…じゃあこちらからも少し質問いいか?」


「どうぞ…」


「サクの能力はどう考えてもランクはAではなくSといってもいいと私は感じた。

それに他のメンバーは正確にはBランクそこそこの実力でAになったのもサク、キミの助けがあったからでは?君だけならもっと上に行ける」

ヒヨリがそう聞くと

ポカンと口を開けヒヨリを見たあと苦笑いを浮かべる


「評価していただいてありがとうございます

ですが、僕は別に上に行きたいわけじゃないんです。ただ…このパーティと旅することが好きなんですよ」


「そうか…なら一つ忠告をしよう

受ける依頼はBランクまでにしておけ

そうしないと大切なものをなくすぞ」


「そう…そうですね…ご忠告ありがとうございます。あっ、そうだ少し魔力回復したので回復魔法を与えても構わないですか?」


「サク話聞いていたか?私は…」


「えぇ、ですが綺麗な顔に火傷があるのはいただけません!大人しく回復かかっといてください!」


そういうと手をかざしヒヨリに回復魔法をかけるサク


火傷が引き傷が治っていく

「ふっ…君はおせっかいだな」

ヒヨリは自分の体を見全体的に確認した後そういって笑った。


「っ!不意打ちすぎる…これは大変だっただろうな…」

サクは顔を赤くしぼそっとなにか言った。


「なんだ?」

いえ、なにも、では見張り交代しますからヒヨリさんは休んでください

聞き返すが教えてはくれない


「あぁ…」



朝になるとだいぶメンバーが回復して動けるようになった、

昼頃になるとナツとユキも目が覚めたこともあり、街へ戻ることにした。


帰り道は強敵もいなかったのでそれほど苦戦はしなかったが、サクはヒヨリとイツキにちょいちょい話しかけてきたためカケルやナツ、ユキともそれなりに話をしわきあいあいとした感じて帰路につく


今までの旅の話、

「雪原地帯では魔物は少なかったのですが足元が悪くて旅が大変でしたね、雪原地帯にいったことはありますか?」


先ほどの戦闘で崩れたヒヨリの髪などの注意、

「ヒヨリさん、戦闘後は少し身だしなみ気にしません?髪ボサボサですよ?」


街の美味しいご飯など様々なことを、

「街のダイガイドウというぱっと見薄汚い居酒屋があるのですがそこの魚料理は絶品なんですよ!」


そんな話をしながら街へつきギルドに報告と賞金の受け取った。

その時にギルドの調査についてもしっかりと注意していく。


「本当にありがとうございました!またどこかで!」

サクがそういうと他のメンバーも同じように別れのことばをつげる


「あぁ、またどこかで」

ヒヨリとイツキもそう声を掛け合い

カケルたちパーティとはギルドで分かれた


「…よかったの?」

「何が?」

少し歩くとイツキがいった。


「仲良くなったから一緒に旅をするのかと…」


「なぜ?…あぁ、本当はイツキがあっちに行きたかったか?」

「そんなわけないでしょ!」


ヒヨリはそういった後何故か少しもやっとする。

なぜだろうか?その気持ちを追求しようとしたがイツキが即否定をしたので気持ちがすぐに晴れた


「ただヒヨリはサクと仲良さそうだったし…」


「そうだろうか?」

でも言われてみれば普通ならそっけなく返すところをサク相手には結構話をし返していた気がする。


「…だって似てるし」

少し口籠るイツキ


「似てる??…あぁ確かに」

そう言われてヒヨリは納得した


「イツキに似ているな…」


「…えっ?」


サクはヘラヘラと掴めない感じなのに、確かに冒険者としての腕がある、決断力もありパーティをかけながら支える感じとか、それにおせっかいなところもにている


「ちょ!どういうこと?あの腹黒と似てるって!」


「ふむ、サクが苦手だったのか?でも、お前たち同族だぞ?」


「そんなことないし!」

隣でぎゃあぎゃあ騒ぐイツキのことなど気にせずヒヨリは歩き続けた。







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